焼津市立総合病院

文字サイズ変更
サイト内検索
トップページ > 医療関係の皆さまへ > 病診連携について

医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2016年9月号 VOL.14

泌尿器科の診療について           病院事業管理者  太田 信隆

【尿路性器がん】
 腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌などの治療は腹腔鏡下手術などのいわゆる低侵襲手術でおこないます。当院は腹腔鏡下前立腺全摘術、腹腔鏡下小切開腎部分切除術、同腎摘出術、同腎(尿管)悪性腫瘍手術の施設基準を満たした届出病院です。 切除不能例、再発例に対して当院では積極的に放射線併用療法を行っていることが特徴です。
【尿路結石】
 外来体外衝撃波治療法はもとより、経尿道的手術、経皮的腎結石手術をおこないますが、治療期間を最短にすること、最も侵襲の少ない治療を行うことを目標に治療計画を立てています。
【腎不全治療】
 腎不全には血液透析療法、腹膜透析療法、腎移植術があります。血液透析療法一辺倒になりがちな腎不全医療を透析療法認定看護師が介在し、いろいろな治療法の長短を患者に丁寧に説明し、最適な治療法を選択してもらいます。最近、静岡県内では腹膜透析療法患者数が減少していますが、そのメリットを考えると増加させる意義があると考えます。
【尿失禁手術】
 近年、多くの尿失禁治療薬の発売に伴い尿失禁治療の必要性が認識され始めていますが、骨盤底筋の障害に伴う尿失禁では手術療法が必要となります。当院では古くからマンチェスター手術変法あるいはその一部である前腟形成術を行ってきました。これは腟粘膜下の筋膜を縫縮し、かつ骨盤内の靭帯を強化し膀胱および尿道の位置を修正する手術です。この手術は前部尿道の修正を行うことで腹圧性尿失禁の改善、中部尿道の修正では排尿困難の改善が図れる優れた手術です。しかし、子宮摘出後などで骨盤内の解剖的異常が生じている場合は効果不十分であることが問題でした。
 腹圧性尿失禁は体動やくしゃみなどで無意識のうちに尿が漏れる病気ですが、尿道の支持組織が弱体化することがその原因です。この治療法として1980年代中ごろから普及したStamey手術、Raz手術などの膀胱頸部挙上術は当院でも採用したものの長期成績に問題があり、その後ナイロン糸を用いたスリング手術、メッシュテープを用いたTVT手術などの変遷を経て現在はメッシュテープを閉鎖孔に通過させるTOT手術をおこない安定した治療成績が得られています。
【前立腺肥大症手術】
■経尿道的前立腺切除術(TUR-P)
 標準的治療法として国内外で広く行われています。TUR-Pは安全で治療効果も優れていますが、一部の症例では術中あるいは術後に出血やTUR-P症候群(低ナトリウム血症)といった合併症が問題となることがあります。
■光選択的前立腺蒸散術(PVP)
 PVPレーザーは、緑色のレーザーを前立腺に照射することで組織を加熱気化(蒸散)させる手術です。
 PVPレーザーの緑色のレーザーは、酸化ヘモグロビンに強く吸収される一方、水にほとんど吸収されないため、前立腺などの血流の豊富な組織では効率的に蒸散を行うとともに、目に見えない前立腺組織の深部に与える影響が少ないです。
 また、PVPレーザーによって蒸散された前立腺組織の直下では浅い凝固(厚さ1mm〜2mm程度の熱で変性して固まった組織)層ができるため、手術中の出血が非常に少ないこともPVPの利点です。さらに、電流を用いる従来のTUR-Pと違ってレーザーを用いるPVPでは灌流液(経尿道的な内視鏡手術の際に視野を確保するために使用する液体)として生理食塩水を使用できるため、合併症である低ナトリウム血症の心配がありません。
 出血も少なく、効率の良い組織蒸散と凝固が可能であり、前立腺肥大症に対するもっとも安全で有効な低侵襲療法であると考えられています。前立腺肥大症にて、外科的治療法で排尿状態の改善が期待で
きると考えられる場合に良い適応です。ほかの治療法と比べ、出血が非常に少ない方法であるため、高齢者や脳血管障害、心疾患などの理由で抗凝固治療中の従来の手術を受け難い症例にも、比較的安全に施行できる可能性があります。
<PVPの長所>
・合併症がすくない。(手術中や術後の出血が少ない。TUR症候群がない。)
・術後に尿道カテーテルが早く抜ける。(術後1日〜2日目)
・尿道カテーテルを抜くと尿の出かたが速やかに回復する。
・術後の排尿時の痛みが少ない。
・性機能への悪影響が少ない。
・入院期間が短く社会復帰が早い。
 現在、静岡県中東部でPVP治療をおこなっているのは当院のみで、三島、富士、静岡など多くの地域から安全な手術を求めて患者様が受診しています。中には宗教的理由で輸血のできない方もいましたが安全な手術が可能でした。
【男性更年期障害】※2019年3月より男性更年期外来は休止しております。
 現在、男性更年期障害を専門外来を設けて診療しているのは県内で浜松医大と当院の2か所です。男性更年期障害はストレスなどにより男性ホルモンが減少して起こるものです。性ホルモンは男女とも20-30歳代をピークにその後低下します。男性ホルモンは性殖機能に働くほか、脳に働き意欲・幸福感を導いたり、筋肉の蛋白同化作用、造血作用、骨量の維持などさまざまな働きをしています。そのため性ホルモンが低下するとさまざまな身体症状が出てきます。
 また発症年齢は女性ではいわゆる更年期と呼ばれる40-50歳に集中していますが、男性では30歳代後半から70歳近くまで広く分布していることも診断を難しくしている理由です。また男性では性ホルモンのなだらかな低下に体が順応することが多いのですが、これに精神的なストレス、環境の変化などが加わると男性更年期障害を発症するきっかけとなります。 
 男性更年期障害の治療には男性ホルモン補充療法が第一選択となります。SSRIや漢方薬は補助療法として用います。男性ホルモン投与は治療であることはもちろんですが、うつ病、ストレス障害などとの鑑別にも有用で、漫然とSSRI・漢方薬を継続することは避けるべきと考えます。

 泌尿器科外来は木曜日が手術日のため休診としていますが、急を要する場合ご連絡をいただければ午前中の診療が可能です。泌尿器科外来にお問い合わせください。
 

4. 学会報告の紹介
 今回、2015年の病院総合診療医学会で発表しました内容をお伝えします。
 当院救急外来を受診されました低血糖症例について考察しました。
 当院救急外来受診は下表のように年間1万5千人から2万人あり、そのうち、低血糖症例は100人前後となっています。
 年  低血糖症例  救急外来受診の総数
 2012  95  15,119
 2013  113  19,765
 2014  88  19,236
 2014年では低血糖症例のうち、糖尿病治療者は73名でした。下記のような対象症例になってます。データは平均値 ± SDで示してあります。
平均年齢 73.9 ± 11.8 歳
性 別 男性 37名  女性 36名
来院時の血糖 33.6 ± 11.6 mg/dL
eGFR 55.4 ± 25.9 mL/min/1.73m2
HbA1C 7.0 ± 1.2 %
 上記のように低血糖で受診されました患者さんは高齢、高度な低血糖、腎機能低下傾向を示していました。
 一方、HbA1Cからみた血糖コントロールはむしろ良好な症例が多くなっています。
 さらに治療薬剤別にみてみますと下図のようになります。横軸に年齢、縦軸にeGFRからみた腎機能を示しています。治療薬は主にインスリン治療とSU剤治療にわかれ、SU剤治療群による低血糖症例は高齢かつ、腎機能低下している群に多いことがわかります。投与開始時には腎機能が正常でも、高齢患者さんでは変動して低下する場合もあります。この結果は3年間にわたりみとめられ、さらに焼津に特有な現象ではなく、他でも報告されています。(Which hypoglycaemic agents to use in type 2 diabetic subjects with CKD and how? Haneda M, Morikawa A. Nephrol Dial Transplant. 2009 Feb;24(2):338-41.)
 このような腎機能が低下した場合にはSU剤から他の血糖低下薬への変更が望ましい場合があります。最近、糖尿病薬には新規の薬剤が出現しており、低血糖の少ないタイプや腎障害でも投与可能な内服薬も処方可能となっています。薬剤調節に関して総合診療内科では、必要に応じて代謝内分泌科にコンサルトしながら、入院加療も含めて対応いたします。是非ご相談いただけましたら幸いです。
 以上今後とも宜しくお願い申しあげます。

  

病院からのお知らせ

医師の異動のお知らせ    
 日ごろからご支援、ご指導いただきありがとうございます。医師の異動がありましたのでお知らせいたします。
 
 【8月31日 退職医師】  【10月1日 新任医師】
 形成外科  大瀧 雄平
 泌尿器科  松村かおり
 整形外科  樋口 淳也
 小児科   安藤 太郎
 小児科   和泉 誠人
 腎臓内科  佐々木 貴充
 形成外科  木村 武一郎
 形成外科  高梨 遼
 産婦人科  松井 遥香  
 【9月30日 退職医師】  
 整形外科  荒井 翔
 小児科   西川 由衣
 小児科   竹森 千晃
 形成外科  渡邉 美佳
 

ページの先頭に戻る
〒425-8505 静岡県焼津市道原1000番地
電話(054)623-3111/FAX(054)624-9103 地図