焼津市立総合病院

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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2016年11月号 VOL.15

乳腺外科の診療について           副病院長  平松 毅幸

 治療開始後に発生した有害事象(発熱、口内炎など)は、点滴センターか外科外来看護師が電話対応し、主治医指示により外来診療することもあります。嘔気、味覚障害、口内炎による食欲低下に対しては、ケアは看護師が、薬剤的対応は薬剤師が、食事的対応法は栄養士が分担して指導しています。
また、各分野の診療能力の向上を目的として、多職種合同の乳腺症例カンファランスを1〜2か月に1回開催しています。そこでは、癌の存在、広がり診断困難例や特異的な症例を、画像・病理面から検討しています。

【乳癌診療の最近の話題】
1)分子標的薬剤
 化学療法剤は、癌細胞だけでなく、骨髄、神経、消化器系などにも広く作用するため、体力・気力を損なうことが少なからずあります。
 対して、分子標的療法剤(アバスチン、ハーセプチンなど)は、癌細胞の活性化された増殖関連分子の働きを抑制するのが主作用なので、癌以外の正常細胞での有害事象が少なく、実臨床でも患者の受け入れも良い印象です。
 アバスチンは、がん細胞が栄養を自己に誘導する血管を増やすために分泌するVEGFというタンパク質に結合して、血管の新生を抑え、増殖の速度を低下させる作用があります。
 更に、癌に向かう血管は未熟で薬剤が内部に届くのを妨げていますが、その血管を修復して正常化する働きもあります。そうすることで抗がん剤が癌に届きやすくなるので、より治療効果を高めることが出来ます。

2)乳癌検診
 視触診による乳癌検診は、今年度から焼津市では廃止されました。これは、視触診を加えても、マンモグラフィ(MMG)の乳癌検出率をさらに高めることは出来ず、むしろ、不必要な精密検査の数が増すだけであるという研究結果に基づくものです。
 一方、乳腺エコー(US)を検診に組み込んだ時の効果についての、日本発の大規模なランダム化比較試験(J Start)の結果が、昨年公表されました。その研究は、2007年7月から2011年の3月までの間に日本の23県42の研究参加団体から、乳癌検診患者を72,998人リクルートして、背景をマッチさせて、MMG+US検診群として36,859人、MMG検診群に36,139人を割り振り、乳癌の検出率を検討したものです。  
 論文の主題となる、感度「対象集団から発見された乳癌の総数の中で、検診で所見を指摘されて発見された乳癌の割合」は超音波上乗せ群が91.1%、MMG検診群が77.0%となり、MMG+US群が顕著に高くなっています。
 しかし、特異度「乳癌ではない方のうち、正しく精密検査不要とされた方の割合」はMMG+US群で87.7%、MMG 91.4%と上乗せ群の正確さは低くなっていました。
 癌検出率は、MMG+US群が0.5%・184人に対しMMG群が0.3%・117人と、MMG+US群の方が優れていたのですが、検診で所見を指摘されて発見された乳癌のほとんどは、ステージ0やTといった初期のもので、MMG+US群では71.3%・144人、MMG群で52.0%・79人という結果でした。
 これを総括すると、マンモグラフィに超音波検査を上乗せすることで初期の乳癌は見つかりやすくなるものの、本当は乳癌ではないのに精密検査を受けるリスクはマンモグラフィだけの場合よりも増える、ということを意味します。乳癌がたくさん見つかる検診が良い検診だと単純に考えがちですが、本来は不要である検査の増加や、検診コストの上昇などの不利益も正しく評価して、そのバランスを検証する必要があると、国では考えているようです。
 従って、乳がん検診としてマンモグラフィに超音波を上乗せしようということには、すぐにはならないだろうと推測します。『超音波検査の上乗せによって、より多くの早期がんが発見され、その結果として乳がんで亡くなる方の数を減らすことができる』ということが証明されて初めて、国家的対策型乳癌検診としての超音波検査の上乗せの制度化が検討されるだろうと、私は思います。 






 当科の診療体制に関しては昨年から大きく変わりました。東京大学から関常司先生が病院長に着任し、文字どおり陣頭指揮を執っています。
 外来は関病院長、菱田名誉院長、池谷総合内科科長、大浦腎臓内科科長、篠ア糖尿病性腎症科科長、籾田医長、板谷医長、佐々木医員の8人で行っています。また入院、救急外来対応は大浦以下5人で行っております。(外来、救急とも連日対応しています。)

 当科の担当する疾患は健診での尿検査の異常(血尿、蛋白尿)の精査、慢性腎臓病(腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全)の加療、血液透析導入(事前に認定看護師により詳細な説明を行っています。)維持透析患者様の管理、合併症の対応です。また原因不明の浮腫、多尿など尿量の変化、電解質異常などもご紹介をお願いします。

 ご紹介いただいた患者様は、再び逆紹介させていただく方針は変わっておりませんが、さらに減塩食、低たんぱく食、カロリー制限食の指導など食事指導のみのご紹介もいただければと考えております。

 現在、当科では専門外来としては篠ア医師による早期糖尿病性腎症の病診連携外来に加え、2次性高血圧のなかで頻度の多い原発性アルドステロン症のスクリーニングを籾田医師が行っております。難治性(若年)高血圧で、偶然カリウム値の低い患者様がいましたら是非ご相談下さい。また昨年度から当科大浦が膠原病、リウマチ外来を当院整形外科と連携し開設しており、持続性の関節痛などリウマチ性疾患が疑われる方を診察しています。この分野の治療は飛躍的に変化しておりますが、当院で対応出来る範囲で加療させていただいています。

         

病院からのお知らせ

研修会開催のお知らせ    
 
 ■第1回 透析関連学習会
(日時)  平成28年12月6日(火) 午後6時30分から
(場所)  焼津市立総合病院 C棟3階 講義室
(テーマ)  「透析患者の酸塩基平衡を考える」
      ― 透析患者の高齢化にあたり、心臓ならびに呼吸器など
      の合併症が増加しています。今回、症例提示して検討しま
      す。 ―
(講師)  焼津市立総合病院 総合診療内科 科長  池谷 直樹

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