焼津市立総合病院

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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2017年5月号 VOL.18

一般外科の診療について           一般外科長  石原 行雄

■鼠径ヘルニア
 ざっくり言うと、2-3割の方が一生のうち鼠径ヘルニアに罹るとも言われております。当科でも年間の手術件数は100例前後あり、多くの患者さんを紹介していただいている先生方には、大変感謝しております。外科全体の中でも最も手術件数の多い疾患の一つです。

 さて、鼠径ヘルニアの手術適応ですが、色々考え方があります。嵌頓(かんとん)しているヘルニアは絞扼性腸閉塞などを合併する可能性が高く、緊急手術適応です。では、膨隆だけのヘルニアはどうでしょう?自然治癒はないことといずれ嵌頓する可能性があるから手術をお勧めするということでも良いかも知れません。しかし実際には、後に嵌頓する可能性は年間1%とも言われており、思ったほどには高くない?とも言えます。ただし、ヘルニア手術では、待期手術での術死率は0.2%程度に対して、緊急手術では4-5%とされています(特に全身状態がもともと悪い方に術後合併症が多いと言われています)。特に高齢者や全身状態の悪い方では、やはり緊急手術になる前に待機手術をお勧めするのが良いのかもしれません。もちろん、痛くて仕事ができないなど生活に支障ある場合は手術適応にはいるでしょう。美容的に手術を希望される場合もあります。なので、還納できるヘルニアについては、痛みの有無や御本人の希望を加味して、個別に相談しているのが実情です。
 
 当科での手術の方法ですが、従来から行われているメッシュを用いた前方アプローチと腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)に大別されます。前立腺などの手術歴、ヘルニア門やヘルニア嚢の大きさや御本人の希望などを考えて、前方アプローチかTAPPを選択するようにしています。TAPPでは、臍部に2cm程度、その両脇に1-2cm程度の皮膚切開で腹腔鏡と2本の鉗子で操作します。腹腔内から鼠径部の腹膜を切開して、腹膜前腔という層にメッシュをあてがいます。従来の前方アプローチに対して、裏側からメッシュを入れているイメージです。前方アプローチは主にBilayer法とPlug法を行っています。両者共にメッシュを用い、緊張が掛からない術式です。残念ながら、メッシュを使いにくい場面(汚染や感染が絡んでいる場合)はメッシュを使わずに、昔からのMcVay法など組織を縫合して補強を今でも行う事があります。
一般外科手術イラスト
 TAPPでは全身麻酔が必要です。手術時間は、前方アプローチの方が短く1時間から1時間半くらいです。入院期間は両者同じで、3日間です。術後疼痛については長期間の慢性疼痛も含めて、創が小さい分TAPPに軍配が上がるようです。いずれの方法でも、術翌日には歩行してもらい、OKなら退院可となります。あまり根拠がはっきりしていないかも知れませんが、重労働や激しいスポーツ(勿論ゴルフは含まれます。グランドゴルフはOKです。)は1か月程度控えてもらっています。問題は、再発率です。当科での再発率は、前方アプローチでは1%程度で、全国的集計と同様です。幸い当科でのTAPPで再発は今の所無いのですが、全国的なアンケートでは、4%程度との報告もあります。慣れている施設では1%程度で、前方アプローチと同様との報告もあります。今の所、TAPPの再発率が前方アプローチの再発率に勝っているという報告は聞いていませんので、TAPPを丁寧に行なうことで、前方アプローチと同様の再発率になるというとこでしょうか。いずれの方法でも、丁寧な補強で再発率が減少することを信じてやっていきたいと思います。 

■皮膚腫瘍
 皮膚生検を行い診断確定したのち切除させていただきます。腫瘍の大きさによっては形成外科に切除を依頼することもありますが、まずは当科へ紹介いただき当科より形成外科に依頼する流れがいいかもしれません。
 皮膚腫瘍の中でも悪性黒色腫については静岡がんセンターに紹介することがあるかもしれませんがご了承いただければ幸いです。

■薬疹
 全身に広がる皮疹は薬疹が疑われます。診断確定には皮膚生検が必要ですが薬疹が疑われる場合は病理結果が出る前にご処方の中止や変更をお願いすることがあるかもしれません。大変恐縮ではございますがよろしくお願い申し上げます。症状が強い場合は入院加療とさせていただきます。

■帯状疱疹
 基本的には入院加療を勧めさせていただきます。どうしても入院できない場合は当科にて通院治療とさせていただきます。帯状疱疹後神経痛についてもできるだけ当科で対応させていただこうかと思っていますが、ブロック注射が必要な場合は近隣のペインクリニックへ紹介させていただきます。

■蜂窩織炎
 発赤、腫脹、圧痛で先生方のもとを受診されることが多いと存じます。発熱をともなう場合は入院も検討されますのでご紹介ください。

 入院に関してですが病床が満床といったことがあるかもしれませんので、当日入院の可否につきましては当科より本人に説明させていただければ幸いです。お手数をおかけして申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

 上記以外にも何か皮膚症状があれば当科へご紹介ください。お忙しいところ大変恐縮ですが紹介状をご準備いただければ幸いです。当科にて精査加療させていただきます。症状が落ち着いたら場合によっては逆紹介させていただくこともございますがよろしくお願い申し上げます。

 これからも諸先生方のご協力、ご指導、ご鞭撻を賜りたいと存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
皮膚科紹介イラスト

病院からのお知らせ

早期糖尿病腎症地域連携パス(YES-I-DO)について     
  
 平成25年10月に開始いたしました「YES-I-DO」につきましては、開業医の先生方のご協力により、現在138名の患者様が、このパスでの治療を続けられています。
 ご協力いただきました先生方に御礼申し上げます。
 さて、この「YES-I-DO」につきまして、今までは産みの親であります篠崎真吾医師と、籾田葵医師で診療を行って参りましたが、この度、籾田医師の退職により、代わって板谷三紀子医師が担当することになりました。また、篠崎医師は3月末で当院を退職いたしましたが、非常勤医師として引き続き「YES-I-DO」の診療を行って参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。


医師異動のお知らせ    
日ごろからご支援、ご指導いただきありがとうございます。
医師の異動がありましたのでお知らせいたします。
平成29年5月31日退職医師
 小児科 柳澤 敦広
平成29年6月30日退職医師
 産婦人科 徐 恒杰  腎臓内科 籾田 葵

研修会開催のお知らせ    
 平成29年度 焼津市立総合病院シンポジウム
 テーマ:「新しい時代の病院像」
 日時:平成29年7月12日(水)18:30〜20:10 (開場18:00)
 会場:焼津文化会館小ホール  (焼津市三ケ名1550)
 入場無料 定員300名 申込不要
 パネリスト(予定):静岡県健康福祉部理事、静岡福祉大学教授、医療コンサルタント、病院長

 今年度の病院シンポジウムでは、これからの新しい時代に求められる病院像及びあるべき姿等について、パネリストそれぞれの立場から重要と考えられるポイント等を伺いながら、パネルディスカッションを行います。ぜひ、ご来場ください。
 
 お問い合わせ先: 焼津市立総合病院 病院総務課
 TEL 054-623-3111(代) FAX 054-624-9103
 シンポジウムのお知らせは、ホームページでご覧いただけます。
  ■病院シンポジウムのお知らせ
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