
仕事を知る
当院は、臨床研修病院として指定されており、将来地域を支える医師育成のため、協力病院・協力施設と連携をとりながら研修プログラムを組み立て、研修医※の教育に積極的に取り組んでいます。
そのため、指導医の指導・監督のもと、研修医が外来・病棟で診療を行っています。
当院は厚生労働省指定の基幹型・協力型臨床研修病院です
医師法第16条の2第1項の規定により、診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修が義務づけられています。
医の倫理を理解することにより、
心の通った医師を育成し、
医学の進歩と地域医療の発展に
貢献する
当院の特徴
当院は静岡中部に位置する焼津市の住民に対する地域医療中核病院(病床数423)であり、特に救急医療・周産期医療・難病医療・災害対策などに重点を置く急性期病院です。当院医師の出身大学は浜松医大、東京大学をはじめ様々な大学からなり、いわゆる学閥にとらわれない自由な雰囲気の中で互いに密な協力体制のもと医療に取り組んでいます。また個々の医師は自分の専門分野にこだわらず広い範囲の疾患の診療に当たっており、高い臨床能力を持つ医師が若手医師の教育・指導に熱心に取り組んでいます。さらに焼津の土地柄として気風はオープンで、看護師・技師などのコメディカルや事務系職員などが職種を超えた連携でチーム医療を支えています。
当院を含め全国的に地方都市の公立病院を取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、多数の救急患者や多種多様の社会的要求に応えながらも、笑顔と挨拶をモットーに職員一丸となって地域の基幹病院としての役割を果たしています。
地域の医療特性
焼津市は人口約14万人の地方都市でありながら急性期総合病院は当院のみで、専門的な治療・手術のできる施設が極めて限られているのが特徴です。特に救急に関しては一次、二次はもとより一部の三次救急に属するものまで対応しています。月平均では約1,400人の救急患者を受け入れており、そのうち約370人は救急搬送によるものです(2022年度統計)。
交通の要衝に位置することから交通外傷が数多く受診することも特徴で、外科、整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、口腔外科、形成外科など複数のチームで診療に当たることもしばしばです。
また、焼津市を含む静岡中部の志太榛原地区医療圏(人口約45万人)では各市の市立病院がそれぞれの長所や特徴を生かしつつ、さらには比較的手薄な面も含め互いにカバーしあっているのが現状です。この中で当院は産婦人科、小児科が特に充実しており、当院の地域周産期母子医療センターが当医療圏における周産期医療の中心的存在となっています。また当院の脳神経内科、脳神経外科、およびIVR科(放射線科)を加えた脳卒中センターも当医療圏有数の陣容であることから、焼津市のみならず広域からの救急搬送を受け入れています。
なお、当地区においては住民の80%以上が当院を中心とした地元医療機関で治療を受けており、当院での研修によりcommon diseaseから特定疾患まで幅広く経験を積むことができます。
医療連携の特性
当院は地元の診療所・回復期病院・療養型施設などと密接な関係を築いており、共同の勉強会も当院あるいは地元医師会で頻回に開催され活発な議論が行われています。療養型施設とは定期的な会合を持ち患者のスムーズな移行を図っており、またあらゆる職種にわたり地域と密接な関係を構築しています。
このような地域に密接した病院で研修することにより、個々の患者さんを通じて家庭、地域環境にまで理解を深めることになり、医療の本質を追究できると考えます。さらに院内では年間を通じて内科症例検討会、外科症例検討会やCPCなど多数開催することにより医務部全体のレベルアップに取り組んでいますので、充実した研修を送っていただけると確信しています。
焼津市立総合病院
病院事業管理者
関 常司
医務部長
池谷 直樹
総合診療内科の池谷です。当科は、患者さんが病院に訪れる際の最初の窓口となる診療科です。院内外からは、不明熱や原因不明の炎症性疾患といった難解な症例についての相談も受けています。それぞれの症例に対して、必要に応じて専門診療科に紹介したり、当科で診断・治療を進めたりしています。
そのため、当科では一般的な疾患から希少な疾患まで幅広い症例を経験できます。また、医学の進歩により従来の疾患が再評価されることもあり、臓器別に診断されていたものが実は相互に関連している場合も少なくありません。これらは疾患を臓器単位で見るだけでなく、患者さん全体を総合的に捉える重要性を教えてくれます。当科では、常に患者さんの疾患のみならず、全体像を意識した診療を心がけています。
入院患者さんの症例については、毎朝のカンファレンスで時間をかけて共有・議論しています。みなさんが経験する症例が、診療の楽しさや学びにつながるよう、一緒に取り組んでいきましょう。
消化器内科医長
青山 拓也
消化器内科は一般内科・総合内科に最も近い科の一つと考えています。消化器内科を受診された患者さんが消化器内科以外の疾患にたどり着くこと(例えば黄疸・貧血→血液疾患、腹痛→婦人科疾患、嘔吐→頭蓋内疾患等)もよく経験します。そのため、消化器疾患のみの知識では消化器内科医は務まりません。2ヶ月の研修で、入院から外来フォローまで患者さんを一貫して診ていただき、内科的な管理をしっかり学んでいただきます。また、腹部エコーの基本手技の習得は勿論のこと、希望者にはトレーニングモデルを使った内視鏡操作の指導も行います。自ら検査して診断し、患者さんに合った治療(投薬、栄養管理、内視鏡治療、ドレナージ、化学療法、緩和ケア等)を提供する一連の過程で、どの科に進んでも役に立つ知識・技術を学ぶことができます。総合的な力をつけたい人、専門性の高い治療を学びたい人、いずれのためにもなる研修を提供します。是非、一緒に勉強しましょう。
産婦人科医長
牧 瑛子
施設によっては産婦人科として診療する領域が限られているところがありますが、焼津という一地方都市の病院であるにも関わらず、当院の産婦人科では周産期・婦人科悪性腫瘍・生殖内分泌の領域を取り扱っており、幅広い症例を経験することが可能です。また、地域の総合病院という特性から緊急処置や緊急手術を必要とする症例が近隣施設から多く搬送されてきます。その様な環境であるからか、やる気に満ちた産婦人科医師が多く集まっており、お互いに切磋琢磨しながら診療を行っております。医師同士はもちろん、看護師、助産師、薬剤師などコメディカルスタッフとの仲も良く、気さくで質問しやすい雰囲気があります。産婦人科は「ゆりかごから墓場まで」と表現されるような特殊な科でもあり、産婦人科志望でない方にとっても人として何か大事で特別なことを感じ学ぶことができる研修になるのではないかと思います。皆さんと一緒に学ぶ機会を楽しみにしております。
小児科長
熊谷 淳之
小児科はよく言われるように子どもの総合医です。
当科では小児に多いcommon diseaseである風邪や肺炎、胃腸炎や熱性けいれんなどを十分に経験できて、自分で対応できる能力を身につけることができます。また出産に立ち会って生まれたばかりの赤ちゃんの対応やNICUもありますので早産低出生児の処置などを経験することができます。時にはこころの問題で入院してくる子もいます。
外来や救急で初診から診た患者さんをそのまま入院主治医として受け持ち、自分で患者さんの検査方針や注射の指示を考え、退院後の外来まで一貫して患者さんに付き添う診療を実践できます。
また小児の対応は大人と違って処置や説明も一筋縄ではいきません。嫌がる子をなだめたり、保護者が安心できるように説明したり、全人的なスキルが必要です。
色々不安が一杯だと思いますけど安心してください。やさしい専攻医達が皆さんを指導しますよ。皆さん小児科で日本の未来を担う子ども達を守っていきましょう!
救急科長
金本 忠久
「機内にお医者様はいませんか?」のアナウンスにビビらない人って、どれくらいいるのでしょう。
腕ぶん回して走ってく人いるかな?って知っている人を思い浮かべたら、全員救急科医でした。すごいなあ。 救急医ならきっと、「abcの安定化」「防ぎ得た死/臓器障害(を防ぐ)」「標準的治療」の3つのキーワードで乗り越えるでしょう。救急にはそうした知恵が溢れています。 令和5年の当院の年間救急車は4500件。ウォークインが1万3000件。2~3次だけでなく、1次のコモンも万遍なくファーストタッチから経験できます。 どの専門に進むにも貴重な経験です。もちろん救急専門医を目指すにも。仲間たちと思う存分恥かいたりするのも、得難い人生の財産になるでしょう。 患者さんに、スタッフに、救急隊員に、優しい環境を目指して日々診療しています。コンサルのしやすさには定評があります。それは院全体の雰囲気であり、古き良き港町の雰囲気でもあります。
病院長
風間 伸介
当院の外科は、呼吸器外科、乳腺外科、消化器外科が一体となった、従来型の外科です。10年以上の経験を有する各臓器の指導医が中心となって、チーム医療で診療に当たっています。
専門医を目指す先生方にとっては、術者や助手として、こうした臓器の外科治療の経験を積むことができます。さらにある臓器の専門医を目指す先生にとっても、当院では従来の開胸手術、開腹手術に加えて、胸腔鏡下手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術を行っていますから一段上の手術経験を積むことが可能です。
また当院の特徴として、予定手術に加えて、緊急手術が多いことがあげられます。多くの経験を積むことができますが、その一方で、働き方改革を意識した体制をとるように心がけています。
当院は2030年に新病院の開院を予定していますが、こうした時代のgradationの中で、次世代の外科を診療、人材など様々な面から考えています。当院外科に興味を持たれましたら、是非一度見学に来てください。
準備中
当院は、NPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)による第三者評価を受審し、機構の定める認定基準を達成しているとして、二度目となる4年間の認定を受けました。
(2023年4月1日)
卒後臨床研修とは?
医師免許を取得後、医師が基本的な診療能力を身につけるために行う、2年以上の初期臨床研修のことをいいます。
NPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)とは?
NPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)とは、臨床研修病院における研修プログラムや研修の実施状況の評価を行い、医師の養成に寄与することを目的とする第三者評価機構です。評価は機構の統一基準に基づく書面調査と訪問調査で行われます。
当院は病院全体で研修医の育成に取り組んでおり、審査の結果、その姿勢を高く評価していただきました。
なぜ第三者評価を受けるのか?
~研修医を受け入れると医療安全に繋がるワケ~
第三者評価を受ける意義は、「病院としての医療の質を担保する」ところにあります。
研修体制に対して高評価は自信に繋がり、反対に指摘を受けることは研修内容や運用方法を改善させ、研修の質を高めることに繋がります。
研修医の育成には指導する医師をはじめ、多くの職員が関わります。教育を通して病院内スタッフに責任感が生まれ、多職種の連携を強め、その結果として患者様に提供する医療サービスの向上や医療安全の確保に結びつきます。
患者様やそのご家族、連携する医療機関に安心感を持っていただくため、研修医の受入体制を整備し、その体制を第三者から評価を受けることで、医療安全に繋っていくと考えています。