
仕事を知る
焼津市立総合病院は志太平野を中心とした50万人圏内にある4つの総合病院のうちのひとつです。当院は1次救急、2次救急を担当しており、救急の現場で患者のトリアージができるようになることが、1年次研修医にとって最も大切な課題であり、そして、街のニーズでもあります。面前の患者を、まずは自分の力量で診療するのか、すぐに上級医の診療を仰ぐのか、また、どの専門診療科に引き継ぐのか・・・といった判断力を磨くことが研修の重点項目の一つです。
2年次研修医は、1年次を指導しつつ自分に足りないところを見つけて補い、そして、各自が希望する専門医になるための基礎固めをする期間に充てます。将来、専門医やコンサルタントとして機能するため、自分が専門としない周辺領域の基礎知識・技能こそ、初期研修のうちに学ぶことが大切だと考えています。
医師として一般的な知識がなくては、コンサルタントとして自分自身の得意とする専門領域の技能も有効に使えません。
いずれの専門領域に進むのであっても、医師として共通して持っているべき技能や知識を2年間かけて習得できるように、初期臨床研修プログラムをデザインしています。
病棟、救急室、外来、地域研修いずれの診療の現場であっても、研修医は上級医の指導監督の下で診療する。研修医だけの自己判断による診断、処置は行わない。
講義・実習
実習、毎週水曜昼:救急振り返り「ランチョンセミナー」、月2回:講義日(プライマリケアコース参照)
Case conference
研修医が経験症例を発表する(年に2回程度の発表)。
院内研修会、勉強会
全職員を対象とした院内研究会、勉強会を火曜日(一部金曜)に開催している。
医療安全、救急セミナー、CPC、NST、感染症セミナー、公認ICLSコース、緩和ケア講習会は、参加をする。
救急症例の多いこと
当院の救急患者数は、他地域の患者も受け入れていることから、症例数が多いことが特徴です。14万人診療圏をカバーする救急室では、内科系、外科系ともバランスよく症例を経験でき、first touchを多く行うことで豊富な症例の中から重症例を選別できる能力を高めることができます。
一次、二次はもとより一部の三次救急に属するものまで対応しなくてはならないことから、common diseaseから特定疾患に至るまで幅広く経験を積むことができます。
また、当院は消防署救急隊と密接な関係を有し、メディカルコントロール、救急車同乗など救急疾患の発生現場で臨床研修を行います。
【2023年度救急医療の実績】
件数:17,570件(48.1件/日)/ 救急車取扱件数:4,541件(12.4台/日)
当直では救急室担当として多くの症例をみること
当院の臨床研修医1年次は、22時30分までに来院した救急患者を診療します。
オーバーナイトの当直をなくすことで、翌日への影響を最小限に抑え、回数を増やすことで効率的な研修を行うことができます。
焼津市医師会
焼津市医師会のご協力のもと、市内開業医、市内私立病院での研修を実施していただいている。当院を退職されて開業され、在宅医療に重点をおいて診療されている先生方も多い。病診連携について学ぶ機会を設ける。
学会発表について
1、2回程度の院外での研修会、学会発表の機会を設ける。診療科でのカンファレンス、院内・外研修会、学会発表を通じて、プレゼンテーション技術の向上を図る。
メンター制度について
メンターとして研修医2~3人に上級医2人・コメディカル2人を割り当て、いつでも、些細なことでも相談できやすい環境を整える。3ヶ月に一度以上の頻度で、院内外で面談を行う(研修医や上級医の組み合わせは、必要に応じて随時、研修指導室が調整する)。
手術室での研修に重点
外科系の研修中は、手術室に入室する機会が多くなるよう配慮しています。麻酔科研修では、麻酔科専門医の指導のもと、全身管理につき丁寧な指導を受けられ、将来専門分野に進んだ後も貴重な経験となるでしょう。