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CT検査(Computed Tomography)はコンピューター断層撮影法の略であり、X線を使用し、体の断面を撮影する検査です。
撮影は体のあらゆる部位に対して可能であり、検査時間は5分~15分程度です。
体を構成している臓器(肝臓、腎臓、脳、肺など)や骨、脂肪などは、X線の通過しやすさ(度合)が少しずつ違います。その度合をコンピューターで計算し、断面の画像を作成します。
技術の進歩により、短時間かつ高解像度の画像が取得可能で、得られた画像を用いて三次画像も作成でき、診断や手術支援に役立てています。
2013年3月に旧装置の更新に伴い、焼津市民の医療の確保を目的とした焼津市大井川地区振興整備基金を活用し、高度医療の更なる充実を図るため、当時最新鋭のマルチスライスCT装置を導入しました。
高速、高精細、短時間で患者負担の少ない検査が可能になり、あらゆる領域での活躍が期待され、通常診療はもちろんのこと救急診療などへの貢献が期待できます。
このCT装置では、1回転で16㎝の幅を撮影できる320列面検出器(エリアディテクター)を搭載し、脳や心臓などの臓器全体を1回転で撮影でき、低被ばく線量下で高精細な画像が取得可能です。また、血流や臓器、四肢の動きなど、動態や機能情報を可視化でき、その臨床的価値が広く認められています。
320列エリアディテクターCT装置
2022年9月に旧装置より更新しました。
本装置は、CT検査のワークフローを最適化する新しいコンセプトで開発された最新CTです。
Deep Learning(AI)技術を応用した画像再構成技術などの高精細・低被ばく技術とCT検査の一連の流れをサポートする自動化技術で、COVID-19対応や救急撮影などでの迅速な検査を支援します。
本装置は、患者さんに安心できる検査と高品質な画像をお届けすることで、より良い医療の提供に貢献が期待できます。
80列CT装置
検査時間は内容によって異なりますが、5分~15分程度です。
検査の際はできるだけ金属類のない身軽な服装できてください。金属類は画像に悪影響を与えます。また、金属のついた下着や衣類がある場合、検査着に着替えをしていただく場合があります。
造影剤を使う場合や撮影部位によっては、食事を制限していただく場合があります。
事前に検査のために食事を摂らないように説明を受けた方は、その指示に従ってください。
ただし、水やお茶などの水分は飲んでいただいても構いません。(牛乳などの乳製品は除きます)
特に指示のない場合は、通常通りに食事を摂ってください。
撮影部位や手技によって血管より造影剤というお薬を入れる場合があります。注射は腕の静脈に行います。造影剤を使用することで、通常の撮影ではわかりにくい病変も明瞭に描出され、正確な診断が可能となります。
ビグアナイト系糖尿病薬を服用している患者さんは主治医にご相談ください。
内視鏡で行われている大腸の検査を、CT装置を用いて大腸がんやポリープなどの病気を探す検査です。
内視鏡検査に比べ苦痛の少ない検査で患者さんの負担が軽減されます。
1. 従来の大腸検査と同様に前日からの下剤による前処置をおこないます。
2. 当日に排便状況を確認します。(前処置の状態によっては検査中止になる場合があります)
3. 検査前に腸の動きをやわらげる注射をおこないます。
4. CTの寝台に横になり、細い管をおしりに挿入し炭酸ガスを注入して大腸を膨らませます。
5. 撮影は、仰向け・うつ伏せの2回撮影します。
6. 撮影後に管を抜いて検査は終了です。
大腸のバーチャル内視鏡画像
内視鏡検査の画像
日本における悪性腫瘍による死亡の第1位は肺がんです。年間約7万人の方が命を落としています。肺がんは病変がある程度進行するまで症状があらわれにくく、発見された時は進行していることが少なくありません。がんの中でも生存率の低い病気といわれています。
早期発見がなによりも大切です。
現在、検診では胸部エックス線検査で早期発見に努めていますが、小さな病変を見つけるには限度があります。
CT検査では体(肺)を輪切りに描出する断面像を撮影します。胸部X線検査では見つけにくい濃度の薄い肺がんや、心臓、血管、肋骨に隠れてしまう肺がんを見つけることができます。胸部X線検査と比較してCTによる肺がん発見率は約10倍程度高く、見つかる肺がんは早期の比率が高いといわれています。
肺がん検診時のCTでは、被ばく線量を減らすため通常の検査時よりも放射線量を5分の1程度に少なくした低線量で撮影しています。
当院での被ばく線量は2mSv以下に設定しています。
(※日本人が1年間にあびる自然放射線量は2.4mSvといわれています。)
胸部X線画像 胸部X線画像では早期の病変は見つかりにくいです。
CT画像(横断像) CT画像では淡い早期の病変も指摘できます。(早期がん)
CT画像(冠状断) CT画像では断面を変えて診断可能です。
より小さな病変や早期の肺がんを発見し有効な治療が可能になります。他にも肺気腫、肺線維症などの肺疾患の抽出も可能です。
しかし、がんではない紛らわしい陰影も見つかることがあります。その際には精密検査や経過観察などを行うこともあります。
検診は、肺がん低線量CT検診単独検査と、通常の人間ドックにオプションで付け加えることもできます。
予約申し込み(インターネット予約や電話または来院)
インターネット予約や平日12時~16時の間に健康管理センターまで電話または来院にてご予約ください。
(完全予約制)
電話番号 054-623-3111(代表)
検査当日
当日は、予約時間に健康管理センター(2階外来奥)にお越しください。
検査結果報告
2~3週間後を目安に郵送します。所見ありの場合は、当院に受診できます。
16,940円(税込)
CT装置にてヨード造影剤を使用し、専用の撮影条件で撮影をすることで肝臓、肝動脈、門脈、肝静脈、腫瘍などを3D表示することができ、手術前に必要な情報を得ることができます。
腫瘍と血管(肝動脈、門脈、肝静脈)の位置関係を、3D画像を用いて手術前に確認します。
前から見た画像
足下からみた画像(CT画像と比較)
CT画像(横断像)
実際に切除する肝臓の区域と血管(肝動脈、門脈、肝静脈)の位置関係を、3D画像を用いて手術前に確認します。
下の画像の緑色の部分は実際に切除する肝臓で、桃色は切除せずに残す肝臓です。両方の肝臓の体積の計測も行うことができます。
腫瘍と血管(肝動脈、門脈、肝静脈)の位置関係を、3D画像を用いて手術前に確認します。
前から見た画像
足下からみた画像(CT画像と比較)
CT画像(横断像)
CT装置にてヨード造影剤を使用し、専用の撮影条件で撮影をすることで肺、肺動脈、肺静脈、腫瘍などを3D表示することができ、手術前に必要な情報を得ることができます。
CT画像(横断像)
肺動脈と腫瘍
肺静脈と腫瘍
肺動静脈と腫瘍