放射線被ばくについてのQ&A

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よくある放射線検査に関する質問と回答

Q
日常でも放射線を受けるって本当ですか?

A
本当です。自然放射線と言い、日本では平均年間2.4ミリシーベルトと言われています。
大地、宇宙線、空気中、食物等から常に放射線被ばくを受けています。

Q
妊娠に気づかずにレントゲン(X線)検査を受けてしまいましたが子どもは大丈夫でしょうか?

A
通常のレントゲン撮影では子供の影響はありません安心してください。
腹部が検査部位である胃透視(5ミリシーベルト)でも、胎児が受ける放射線の量はごくわずかであり、なんら心配することはありません。
ただし、妊娠が判明している場合は、放射線診断の必要性を考察すべきなので、申し出をしていただきたいと思います。

Q
短期間に様々な放射線検査を受けましたが大丈夫でしょうか?

A
必要性のある検査に関しては問題ありません。
放射線障害の多くは、一度に受ける放射線量により発生します。
ただし、同時期に同じ検査を受ける必要がないこともありますので、行なった検査の内容を教えていただければ細かなアドバイスができると思います。

Q
レントゲンを撮影する時どうして「金属類を外してください」と言われるの?

A
できる限りきれいな写真が撮影できるよう心がけております。
金属が映り込んだ所がちょうど見たい部位だったとか、そこに悪いところがないと否定できない写真というのも困りますので、再度撮影することになります。
被ばくの軽減にもつながります。ぜひ身軽な格好で来院していただくようにお願いします。

Q
お見舞いに行ったら部屋でレントゲンを撮っていたけど大丈夫でしょうか?

A
病室で胸部や腹部の放射線検査をする事があります。ポータブル撮影と言います。
移動困難な患者さんや、状態の悪い患者さんに対し移動型の機械で写真を撮ります。
撮影する患者さんの撮影部位に少ない放射線量を使用していますので、被ばくの心配はありませんが、不必要な被ばくを避ける意味で、退室をお願いしています。

当院の一般撮影の皮膚線量(撮影1枚あたり)

撮影部位 皮膚表面線量 (mGy) ガイドライン (mGy)
頭部 正面 0.50 2.50
胸部 正面 0.07 0.30
腹部 臥位 0.70 2.50
頸椎 正面 0.35 0.80
腰椎 正面 0.80 3.50
腰椎 側面 1.80 9.00
骨盤 正面 0.50 2.50

皮膚表面線量:皮膚表面での放射線量

診断参考レベルと当院のCT被ばく線量

CT 診断参考レベル2020 当院
CTDIvol DLP CTDIvol DLP
頭部 単純 77.0 1350.0 57.2 1155.0
胸部 単純 13.0 510.0 7.4 306.5
腹部 単純 18.0 880.0 12.9 701.2
胸部~骨盤 単純 16.0 1200.0 12.8 970.6

注1)すべてのプロトコールにおいて、標準体重50~70kg

  • CTDIvol:CT検査で受ける1cm当たりの放射線の吸収線量です。
  • CTDIvol:CT検査で受ける1cm当たりの放射線の吸収線量です。
  • DLP:撮影範囲分の放射線の吸収線量です。
  • DLP=CTDIvol×撮影範囲[cm]※CTDIvolの単位はmGy、DLPの単位はmGy・cm
  • DRL:診断参考レベル。医療被ばくの最適化を進めるための指標。
    この値より高い場合、原因を分析し診断に影響がなければ線量を下げることを求められています。一方、低ければ良いということではなく、あまりにも低い線量で撮影している施設は必要な診断情報が提供できる画質を担保しているかどうかを確認することも必要です。

放射線皮膚障害と線量の関係

線量 早期影響 慢性影響
500mSv 染色体の変化のみ 変化なし
5000mSv 一時的な紅斑と脱毛 通常は変化を認めない。
機能障害の危険が増大する。
25000mSv 一時的な潰瘍 萎縮、血管拡張、色素異常
50000mSv 永久的な潰瘍 慢性潰瘍
発癌の危険性が高くなる。
500000mSv 懐死(透過力の弱い放射線によるものであれば回復の可能性がある。) 永久的な組織破壊(深さは放射線のエネルギーによって異なる。)