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RI検査室では、放射性医薬品を用いて、臓器の形態、機能などをしらべる検査をしています。
放射性医薬品には、ごく微量の放射性同位元素(Radio Isotope) が含まれています。この薬をからだに投与すると、特定の臓器や組織に集まりそこからガンマ線を出します、これをガンマカメラという測定器で測定し、その分布を画像にします。
RI検査はX線を使った検査とは違い装置からは放射線が出ません。患者さんの体内に入れた微量の放射線を測定しますので、検査時間に関係なく放射線を受ける量は同じです。
X線検査、CT検査、MRI検査、超音波等でも臓器の形はわかりますが、RI検査では機能や状態もわかるのが特徴です。
ほとんどの検査は寝ているだけですが、中には負荷心筋シンチのように運動をしていただくものもあります。検査内容により使用薬剤、検査時間、前処置、注意事項などが違うためRI管理室で予約をとり説明をしています。
RI検査は時間のかかるものが多いので、腰痛のある方、体調の優れない方など事前に申し出てください。その他質問があれば予約時、検査時に遠慮なく技師にお聞きください。
放射線の影響を心配される方も多いと思いますが、検査に使われる放射性同位元素は、短時間で減衰するもの、体の外に排泄されやすいものを使っています。使う量についても厳しく定められており、必要最小限の使用量で最大の検査ができるよう努めています。RI検査に限らず諸検査は常に患者さんの受ける不利益より、得られる利益の方がはるかに大きい場合だけ行うようにしています。
―― お願い ――
放射性医薬品の使用は、法律で厳しく定められているため、患者さんごとに必要な量だけ薬を注文しています。そのため検査の中止や変更をするのは非常に大変です。したがって、外来で検査される方には面倒でもRI管理室に来ていただいています。検査の説明を聞いていただき、できるだけ検査を受ける方の都合の良い日に検査日を決めています。もし、予約の変更、中止なさる場合はなるべく早めに電話連絡をしてください。(変更日時はRI管理室に再度出向いて決めていただきます。)
骨シンチは病巣への血流と骨代謝の状態を動態的に反映する。
適応
悪性腫瘍の骨転移巣の検出、原発性骨腫瘍、骨炎症性疾患、骨折、関節炎、無菌性壊死、代謝性疾患など
使用薬剤 99mTc-HMDP、99mTc-MDP、740MBq
静注後3時間後から検査時間40分:仰臥位の姿勢の維持
静注したRIが腎に速やかに移行し、尿中に排泄される。両腎臓にROIを囲み放射活性を連続のグラフにすることにより腎機能を評価する。
適応
腎疾患の実質性か閉塞性かの評価、移植腎の経過観察、ヨード過敏症の患者の腎機能評価、腎性高血圧症の診断
使用薬剤 99mTc-MAG3またはDTPA
静注直後開始 検査時間約45分
201TlはK(カリウム)と類似の生体内挙動を示し、Na-Kポンプにより初回の冠動脈循環で約80%が心筋細胞内に取り込まれ、その分布は局所の心筋血流を表します。負荷試験を行うことで心筋虚血の有無、病変部の心筋が梗塞(壊死)または虚血(心筋生存)の鑑別診断に有効です。
心臓に栄養を送る主な血管(冠動脈)には、右冠動脈(RCA)、左前下行枝(LAD)、回旋枝(LCX)と3本走っています。この血管の走行を見るのに、冠動脈CTや心臓カテーテル検査を行います。これらの3本の血管が詰まっていたり、詰まりかけていたりするとそれより先の心筋細胞に流れ込む血液の量が減少するため、血液が十分に届かなくなり、それによって不整脈・狭心症・心筋梗塞さらには心筋の細胞が死んでしまうことがあります。心筋シンチは血管の走行を見る冠動脈CTや心臓カテーテル検査とは異なり、細胞へのエネルギー(栄養)を反映した心筋細胞の状態を見る検査です。
心筋シンチ画像は梗塞部位やその範囲の診断に有効で異常がある場合は集積低下像もしくは欠損像として表されます。そこで、局所的な虚血を再現するためにトレッドミルによる運動負荷や薬物により負荷することで狭窄した部分は局所血流が低下し欠損像となります。負荷をかけてから時間をおくことで血流が回復(再分布)し、正常、梗塞または虚血の鑑別をすることが可能です。
心筋シンチによる薬剤(201Tl)の分布
安静時 | 負荷時 | |
---|---|---|
正常 | 集積 | 集積 |
狭心症 | 集積 | 欠損 |
心筋梗塞 | 欠損 | 欠損 |
また、心筋シンチの画像およびブルズアイから集積低下・欠損があった場合に3本の主要な血管のどこに異常があるか、ある程度予想することが可能です。
ブルズアイ表示による冠動脈支配の決定
正常像
正常像(ブルズアイ)
集積低下像
ブルズアイ(RCAの領域に集積が低下)
心臓カテーテル検査(RCA)
以上のように心臓カテーテル検査を行う前に冠動脈の状態を予想することが可能であり、異常による心筋細胞への影響も判断することができます。
安静心筋シンチは体を安静にして休んでいる状態のときの心筋の状態を撮像します。それに対して負荷心筋シンチでは薬を使用したり、トレッドミルと呼ばれる機器を使用して体を動かしたりすることで心臓に負荷がかかった状態を撮像します。負荷をかける場合は基本的に午前中に負荷心筋シンチ、午後に安静心筋シンチの2回検査を行っています。
トレッドミル
201TlCl(塩化タリウム) 74MBqまたは111MBq
当日の朝食は取らないでください。また、前日の夜からコーヒーやお茶などのカフェインを含む飲み物は摂らないようにお願いします。(1回目の検査終了後から食事は取ることができます)
お薬によっては検査当日の朝の服用を中止する必要があります。中止する必要があるかどうかは主治医の指示に従ってください。1回目の検査が終われば服用することができるので当日は持参してきてください。
負荷後安静時の検査まではできるだけ心臓を休めるようにします。予定時間より少し早めにお越しいただいて開始時間までは安静にします。病棟の患者さんは車イスで検査室まで来ていただきます。
妊娠中の方、及び妊娠の可能性のある方は検査を行わない場合がありますので予約時及び検査前にお知らせください。
脳の血流に異常がないか調べる検査です。CT検査、MRI検査では、血管の形状がわかるのに対して、この検査は血流がどのように脳に影響しているのかを調べることができます。また、専用の解析ソフトを使用することで認知症の補助診断に役立てることができます。
適応
脳血管障害及び脳機能障害の診断(脳梗塞、認知症、一過性脳虚血など)
使用薬剤:123I-IMP
脳は考えたり行動したりすることで血流が変化します。その影響をなるべく抑えるために、検査台で横になっていただき、10~15分程、脳を休ませます。また、眼が開いたまま検査をすると血液の流れが後頭部に強く出るという報告があります。そのため、アイマスクを使用しながら検査を進めていきます。安静の後、薬剤を注射して撮影をします。撮影時間は40分程、安静にしている間に撮影が終了します。
検査の途中でトイレに行く事ができないため、検査前に済ませていただくようにお願いしています。
症例:右前頭部の血流低下