/ 勉強会・公開講演会等
令和7年11月21日に焼津文化会館小ホールにて令和7年度第3回焼津市立総合病院シンポジウムを開催しました。
東京大学泌尿器科学講座から久米教授をお招きし、当院医務部長の松本医師とともに「泌尿器・腎不全領域の疾患とその治療」をテーマにしたシンポジウムを開催しました。
当日は約100名の方々がお越しくださいました。ありがとうございました。
■プログラム
前立腺肥大症と過活動膀胱には、重症度を評価するための質問票である「国際前立腺症状スコア(I-PSS)」と「過活動膀胱症状質問票(OABSS)」があり、これらの結果を参考にしながら治療に反映することを説明させていただきました。
治療法としては、前立腺肥大症には薬剤治療やレーザーを用いた内視鏡手術があり、過活動膀胱には薬剤治療や尿漏れを防ぐための骨盤底筋訓練があることに加え、日常生活で気を付ける点についてもお話させていただきました。
また、慢性腎臓病に対する治療として、腎移植の概要や当院での腎移植の取り組みと治療経過を紹介いたしました。
前立腺がんの疫学、診断、治療法について解説いただきました。前立腺がんは初期段階では自覚症状がほとんどなく、比較的ゆっくり進行する病気ですが、早期に発見して適切な治療を行えば高い確率で治癒が期待できる病気であるため、PSA検診を受け早期発見につなげることが大切であるとお話いただきました。
また、前立腺がんの手術については、前立腺が骨盤の底にあるためアプローチが難しいものの、ロボット支援下手術では従来の手術と比べて前立腺へのアプローチが容易になり、3Dカメラによる立体視が可能となるほか、出血量も減少することから、質の高い手術が行えることを説明いただきました。
いただいたご意見は今後の開催時の参考にさせていただきます。

当院医務部長 松本医師

東京大学大学院 久米教授