(3)Venous intervention(静脈系IVR)
静脈にカテーテルなどを挿入して行う手技です。胃静脈瘤に対するBRTO、 骨盤うっ滞症候群に対する静脈塞栓術, IVC filter留置術などがあります。特殊なものとして、体内深部の静脈にカテーテルを誘導して直接静脈血を採取する選択的静脈採血術があります。原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈採血、クッシング症候群の診断のための下錐体静脈・海綿静脈洞採血があります。これらは病気の疑われる臓器から流出する血液を臓器直近の静脈から採血してホルモン値を測定するため、確定診断の役割があります。
(4)四肢末梢のangioplasty
骨盤部、下肢の動脈狭窄、透析シャントの狭窄等に対する血管形成術が行われます。専用のバルーンカテーテルで狭窄部を拡張し、必要な場合はステントという金属製の編み目を留置します。
(5)経皮的生検、経皮的ドレナージ術
CT、超音波などを用いて経皮的にアプローチして生検をしたり、膿瘍をドレナージすることができます。CT、超音波などで標的が明確に認識でき、安全なアプローチルートがあればどこでも可能です。
3.IVRの禁忌
ヨード造影剤、局所麻酔薬、その他、IVRで用いる器具・材料にアレルギーのある方はIVRが禁忌となります。事前にご相談下さい。
********** 放射線診断・IVR科 担当医から こんにちは **********
2018年4月からお世話になっております。神谷実佳と申します。よろしくお願い申し上げます。
IVRは外科治療、放射線治療と比べて比較的歴史の浅い治療ですが、うまく使えば低侵襲で効果的な治療ができます。こんなことはしてもらえるかな? と思ったら遠慮なくお問合せ下さい。
また、前任地の浜松では脳血管内治療チームで脳神経外科の先生方から脳血管内治療を学びました。私自身は標榜科が放射線科ですので、脳血管内治療は脳神経外科の先生方のチームに一緒に混ぜて頂く形になります。当院でも少しずつ症例ができればと思っています。放射線科IVRは各診療科の先生方から常に学ばなければなりません。今後ともご指導・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
どんな医療でもそうですが、IVRにおいても術前の情報共有と綿密な術前計画が肝要となります。
とくに、IVRでは画像の詳細な検討をもとにstrategyを組み立てるため、詳細な解剖に踏み込んだ画像診断が重要です。IVRの適応についての疑問点、画像についての疑問点について、直接遠慮なくお声かけ頂けますと幸いです。
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