/ 診療科・部門
担当医師 | 腎臓内科医師 |
---|---|
受診方法 |
|
診察日 | 毎週木曜日の午後 |
疾患群 | 専門領域 | 担当医師名 |
---|---|---|
免疫性疾患 | 膠原病系疾患一般
|
大浦 正晴 |
多発性のう胞腎(ADPKD)とは、腎臓にのう胞(水がたまった袋)がたくさんできて腎臓の働きが徐々に低下していく遺伝性の病気であり、厚生労働省により指定難病とされています。わが国の患者数は約31,000人と推定されています。この病気は、両親どちらかからの遺伝により、または、両親に病気がなくても患者が生まれるときに遺伝子の突然変異が起きることにより生じます。
患者さまの多くは成人になってから症状がでますが、初期は無症状です。しかし、徐々に腎臓ののう胞が増えて腎臓全体が大きくなり、お腹が張ったり血尿が認められたり、のう胞に感染が起こることもあります。また、肝臓にものう胞ができてお腹が張ってくることもあります。その他に全身の合併症として、高血圧や脳動脈瘤(クモ膜下出血)が一般の方より高い頻度で起こります。
治療のひとつに、尿を濃縮するホルモンであるバソプレシンのV2受容体拮抗薬(トルバプタン)の服用が挙げられます。この治療法では腎臓ののう胞が大きくなることを防ぎ、腎臓の働きの低下を抑える効果が見込まれます。
また、治療に加え日常生活で気を付けなければならない点もあります。脱水によるバソプレシンがのう胞を大きくし、病気の進行を速めることになるため適切な水分摂取が大切になります。さらに、高血圧や肥満も病気の進行に関わるので塩分制限などが重要となります。
適切な処置をせずそのまま放置した場合、徐々に腎機能が低下し腎不全となり、透析治療や腎移植治療が必要となります。この病気の患者さまの約50%は60歳頃までに腎不全になると言われています。しかし早期発見、早期対応により末期腎不全への進行を遅らせることが期待されます。
当科では、2022年9月の木曜日午後より「多発性のう胞腎専門外来」を開設します。
多発性のう胞腎の診断を受けた方は、かかりつけ医とご相談のうえ、早期受診をご検討ください。
多発性のう胞腎について、詳しくはこちらをご覧ください。
診察日
毎週木曜日午後(祝・休日は除く)