人工膝関節部分置換術

/ 整形外科

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人工膝関節部分置換術
(変形性膝関節症・骨壊死などの手術)

UKA:Unicompartmental Knee Arthroplasty

人工膝関節部分置換術とは

変形性膝関節症、骨壊死、等が原因で膝関節の一部(多くは内側)に変形や痛みが生じます。薬やリハビリといった保存的治療でも痛みや歩行が不自由な状態が続く場合、手術を行います。
一般的に行われている膝関節全体を人工関節に置き換える全置換術に対し、部分置換術は膝関節の痛んでいる部分だけを人工関節に置き換える方法です。損傷していない軟骨や靱帯は温存するため体にかかる負担が少ないです。高齢な方でも手術を受けることができます。術後回復が早く、早期社会復帰が可能なことも大きな特徴です。

変形性膝関節症

変形性膝関節症のレントゲン写真

人工膝関節部分置換術の構造

人工膝関節は関節の滑らかな動きを再現できるように3つの部分からできており、大腿骨部と脛骨部は金属、その間に耐久性に優れた硬いポリエチレンが入ります。ポリエチレンが軟骨の役割をし、スムーズな関節の動きが得られます。

人工膝関節

人工膝関節部分置換術の手順

手術は全身麻酔で行います。約7~8cm程皮膚を切開し、膝関節の損傷している部位を取り除きます。取り除いた膝関節の代わりに人工膝関節インプラントを固定します。インプラントが正しく固定できていることを確認したら、傷口を閉じて手術終了となります。

人工膝関節部分置換術後のレントゲン写真

人工膝関節部分置換術後の傷口の写真

当院における工夫

変形性膝関節症の方で条件を満たす方には、積極的に部分置換術を行うようにしており、正確なインプラント設置を実現しています。傷口は吸収性の糸で縫い、皮膚表面は専用のテープで固定するため抜糸の必要性はなく綺麗に閉じます。術後2週間から3週間で、膝の良好な可動域も得られ、歩行も安定し退院可能となります。

人工関節部分置換術を受けるための条件(医師が診察します)

  • 膝の曲げ伸ばしが著しく制限されていない
  • 膝関節の片側(多くは内側)のみが痛い
  • 靭帯に異常がない
  • 関節リウマチ等がない
    など
  • 部分置換術は患者さんの容態や症状によっては行うことができない場合があります。
    ご希望の方は担当の医師にご相談ください。

人工膝関節部分置換術の良い点、悪い点

良い点

膝関節の正常部分は温存し痛んでいる部分だけを人工関節に置き換える方法のため

  • 傷が小さく、手術後の痛みが少ない。
  • 手術後の回復が早く、社会復帰が早い。
  • 人工関節でありながら手術後の膝の違和感が少ない。
  • 罹患前の下肢(脚)の形に矯正されるため、歩行しやすくなる。
  • 体にかかる負担が少ないため高齢の方でも手術を受けることができる。
    (※症状の改善には個人差があります。)

悪い点

  • 合併症

    まれに別の病気が起こることがあり、代表的なものに感染、血栓塞栓症、人工関節の緩みや脱臼などがあります。
    人工関節に過度な負荷がかかる動作や、スポーツ等はおすすめできません。

入院から退院までの流れ

外来 レントゲンや採血等の検査、手術の説明、歯科口腔外科受診
※人工関節手術の前に歯科口腔環境のチェックを行っております。
手術前日 入院 術前の準備をします。
既往のご病気をお持ちの方は、1週間程早く入院が必要となることがあります。
手術当日 術前 点滴などの事前準備をし、手術室へ移動します。
術後 病室に戻ります。
術後1日目 飲食を開始します。ベッドから起き上がり、車椅子に乗ります。
術後2日目 歩行訓練など リハビリテーションを開始します。
術後2~3週間 退院可能です。