焼津市立総合病院

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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2019年5月号 VOL.27

乳腺外科の紹介                         副病院長  平松 毅幸

 初発の乳癌の治療の第一選択は手術ですが、病変が筋肉へ浸潤していたり、腋窩・鎖骨下リンパ節への転移が著しい時には、切除面と腫瘍との距離(surgical margin)が短くなるため、術後の局所再発率が高くなります。従って、そのような病期においては、術前に薬物療法(抗癌剤、分子標的剤)を投与して、surgical margin が大きくとれるように努めます。現在は、癌細胞の性質にマッチした薬物療法のラインアップが選択可能なので、約9割の患者様で、何らかの腫瘍縮小効果が期待出来ます。

■乳癌の薬物療法の進歩
 抗癌剤は、分裂の盛んな細胞であれば、癌であれ正常細胞であれ叩くので、白血球減少、脱毛などの有害事象を生じます。それに対して、分子標的薬剤は、癌細胞で特に亢進している細胞増殖経路の特定の箇所を抑制するので、正常細胞への有害事象が少ないのが特徴です。ハーセプチン、パージェタ、パルボシクリブ、アフィニトール、アバスチン、リムパーザ、などが現在、乳癌治療で用いられていますが、他にも多く開発中です。今話題のオプジーボ等の細胞障害性T細胞の活性を高める薬剤は、遺伝子変異の多く生じている肺癌などには単剤での有効性が証明されていますが、乳癌では単剤ではなく、抗癌剤との組み合せ(トリプル乳癌に対するアブラキサン+テセントリク)でまず認可される見込みです。

■乳癌の検査法の進歩と展望
 公的な乳癌検診で採用される検査法は、受診者全体の死亡率を下げるのにもっとも費用対効果が高いものを選ぶので、マンモグラフィ(MMG)となり、その地位は今後も揺らがないと思います。但し、若年齢では放射線被曝による癌発生率も上がるので、MMGは、日本では40歳以上(米国は50歳以上)で推奨されています。それでは、MMGのみ受けていれば乳癌は早期に発見できるのかというと、そうとは限りません。MMGは白黒の写真の中で、主に白の濃い部分を病変の候補としますが、日本人女性の40歳代の6割、50歳代の4割を占める高濃度乳腺では全体が白地のため、癌の検出力が低下します。エコーでは、MMGで見逃されやすい腫瘤型の乳癌をある程度拾い上げることが可能ですが、腫瘤を作らないタイプの拾い上げは困難です。当院で全身の初発がん・転移巣検出検査として実績を積んできた全身MRIのDWIBS法を、乳房に特化した検査では、理論的には、腫瘤非形成性乳癌の検出も可能なため、現在、症例を集積して精度を高めるよう努めています。
 最後に、近い将来実用化されるであろう、採血によるがん検診につき、触れておきます。それは、血液中マイクロRNA(miRNA)分析による固形がんの早期発見法です。国立がんセンターで、卵巣がんを有する方と有さない方計4046例の血液(血清)中のmiRNAを網羅的に解析し、卵巣がんで有意に変化する複数のマイクロRNAを同定し、そのうち10種のマイクロRNAを組み合わせることで卵巣がんを早期から検出可能であることが確認されました。同モデルでは卵巣がん患者全体の98.8パーセントを正しくがんであると判別することが可能で、ステージIIからIVの患者群を100パーセント、ステージIの患者群においても95.1パーセントの極めて高い精度で陽性と診断することができました。
 また、乳癌では、miR-BC1, miR-BC3, miR-BC5の組み合わせの判別モデルで感度93%、特異度82%の乳癌診断率が達成されたと報告されています。既存の腫瘍マーカーにこの検査を組み合わせて、がんを一次スクリーニングする検診法が、将来はがんの早期発見と治療成績向上に大いに寄与することが期待されます。

miRNA:ヒトの細胞に存在する22塩基長程度の小さなRNAのことで、血液や唾液、尿などの体液にも含まれます。近年の研究で、がん等の疾患にともなって患者の血液中でその種類や量が変動することが明らかになっています。さらに、こうした血液中のマイクロRNA量は、抗がん剤の感受性の変化や転移、がんの消失等の病態の変化に相関するため、全く新しい診断マーカーとして期待されています。
 
マンモグラフィイメージ画像 


腎臓内科の紹介                        腎臓内科 科長  大浦 正晴

 前回の腎臓内科の紹介では関病院長(現管理者)の陣頭指揮のもと、診療を行っていると書きましたが、病棟業務は板谷医師、須藤医師、三谷医師、内山医師の若手4人の医師が中心になっています。
 今回は入院での当科の診療内容を紹介させていただきます。
大浦腎臓内科長
【エコーガイド下経皮的腎生検】
 蛋白尿、血尿の見られる方で腎組織を確認することによりその後の治療方針(免疫抑制療法など)が決定できる方に行っています。最近は80歳前後の高齢の方でも腎組織の確認が必要な方には腎生検を行うことがあります。入院期間は5日間で、年間約20例行っています。

【IgA腎症のステロイド治療】
 日本人に最も多い慢性糸球体腎炎です。従って非糖尿病性腎臓病では血液透析導入の原因で最も多いものです。当科では前述の腎生検にて診断後に免疫抑制療法を行っています。
 初回入院はステロイド点滴を3日間行い、その後ステロイド隔日内服投与に移行し、入院は5日間〜7日間です。その後3ヶ月毎にステロイド点滴3日間を2回行いますが、週末を利用して入院は4日前後で行っています。約1年間ステロイド投薬を行います。
 IgA腎症初期に免疫抑制療法を行い、その後の蛋白尿増加、腎機能悪化を抑制しています。

【血液透析導入】
 年間40人の血液透析導入を行っています。最近は救急外来に尿毒症にて搬送される方(いきなり透析)が著しく減少しています。皆様方から腎機能低下にて腎臓内科外来に紹介された方に、慢性腎臓病進行時に血液浄化療法の選択を説明しています。末期腎不全の治療として、血液透析、腹膜透析、腎移植(透析前、透析後も含む)に関して認定看護師が説明します。血液透析導入を希望する場合は、事前に透析時に用いる内シャント(血管)の手術を行い、必要時に速やかに血液透析を開始します。
 以上が入院加療の代表的なものです。このほか腎機能が低下した方の血糖コントロールを入院で行っていますが、入院期間はできるだけ短期にして、外来加療に移行しています。

 外来診療ではYES-I-DO外来(焼津早期糖尿病性腎症治療介入)に長らく携わって頂いた篠ア医師から三谷医師に6月から担当が変更になることを報告いたします。
 特定健診後のCKD予防連携外来に関しては、約30%の方が蛋白尿0.5g/Cr以上であり、70%の方がeGFR60ml /分未満です。今までは初回受診時の評価、生活、食事指導が中心でしたが、今後は心血管系のリスク評価が必要と思われます。紹介して頂いた方の経過観察をどのように行うかが今後の課題と考えています。
 また、原発性アルドステロン症スクリーニング、膠原病外来も継続しています。
 今後も腎臓内科をよろしくお願いいたします。

透析イメージイラスト


医師異動のお知らせ

 日ごろからご支援、ご指導いただきありがとうございます。医師の異動がありましたのでお知らせいたします。

■平成31年3月7日 退職医師
 
消化器内科  小平 誠

■平成31年3月31日 退職医師
 総合診療内科  内田 真一
 神経内科    篠原 慶
 小児科     柏井 洋文
 小児科     安藤 太郎
 小児科     高見澤 幸一
 小児科     川野邊 宥
 外科      名木田 明幸
 外科      岡本 憲明
 整形外科    大野 孝義
 整形外科    岡本 直樹
 形成外科    桑田 和幸
 形成外科    桑田 久美子
 泌尿器科    太田 信隆
 泌尿器科    森本 裕彦
 泌尿器科    團野 哲也
 産婦人科    大家 ゆず子
 産婦人科    三瓶 彰子
 眼科      武内 宏樹
 歯科口腔外科  武元 徹

■平成31年4月30日 退職医師
 小児科     久世 崇史

■平成31年4月1日 新任医師

 神経内科    竹ノ内 晃之
 血液内科    望月 康弘
 消化器内科   眞鍋 藍璃
 消化器内科   高橋 悟
 腎臓内科    内山 友梨
 小児科     北岡 寛己
 小児科     渡辺 恵子
 小児科     水岸 貴代美
 小児科     阪井 彩香
 外科      古暮 洸太
 外科      廣末 剛士
 外科      小野田 貴信
 外科      岡 海可子
 整形外科    徳山 周
 整形外科    児玉 弘泰
 泌尿器科    松本 明彦
 泌尿器科    白鳥 太一
 泌尿器科    工藤 貴之
 産婦人科    橋本 啓
 産婦人科    高波 裕喜
 産婦人科    坪山 なつみ
 眼科      武田 優
 歯科口腔外科  福田 修平
 歯科口腔外科  中谷 嶺
 病理診断科   大井手 慶


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