焼津市立総合病院

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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2019年8月号 VOL.28

放射線診断・IVR科の紹介                放射線診断・IVR科 科長  神谷 美佳

2.多く行われているIVR
(1)interventional oncology
 癌の治療には、手術、放射線治療、化学療法(抗腫瘍薬を用いた治療)がありますが、癌治療にIVRを用いることがあります。例えば、肝細胞癌の化学塞栓療法 (transarterial chemoembolization)、ラジオ波焼灼療法はよく知られています。膀胱腫瘍、上顎腫瘍などに対しては、腫瘍の栄養動脈に選択的にマイクロカテーテルを誘導して抗腫瘍薬を注入する動注化学療法と放射線治療を組み合わせて治療することがあります。上顎洞癌の放射線同時併用動注化学療法では、大量の抗腫瘍薬(シスプラチン)を用いた動注化学療法を行いますが、動注と同時に患側の腕頭静脈に誘導したカテーテルからシスプラチンの中和薬を流すことにより、全身の副作用を軽減するプロトコルがあります。
 上顎洞癌の動脈化学療法
 上顎洞癌の動脈化学療法
図1.上顎洞癌の動注化学療法
(2)Transarterial embolization(動脈塞栓術)
 動脈塞栓術は全身の様々な動脈にカテーテルを誘導して動脈を詰める手技です。その対象は多岐にわたります。主な対象として、外傷、各種の術前塞栓術、産科的出血などがあります。カテーテル等デバイスの改良の進んでいる現在では、全身のあらゆる動脈へのアプローチが安全になっています。塞栓材料は金属コイル、ゼラチンスポンジ、液体塞栓物質などを適宜に用います。
産科出血に対するtransarterial embolization  産科出血に対するtransarterial embolization 産科出血に対するtransarterial embolization 
図2 産科出血に対するtransarterial embolization 

(3)Venous intervention(静脈系IVR)
 静脈にカテーテルなどを挿入して行う手技です。胃静脈瘤に対するBRTO、 骨盤うっ滞症候群に対する静脈塞栓術, IVC filter留置術などがあります。特殊なものとして、体内深部の静脈にカテーテルを誘導して直接静脈血を採取する選択的静脈採血術があります。原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈採血、クッシング症候群の診断のための下錐体静脈・海綿静脈洞採血があります。これらは病気の疑われる臓器から流出する血液を臓器直近の静脈から採血してホルモン値を測定するため、確定診断の役割があります。

(4)四肢末梢のangioplasty
 骨盤部、下肢の動脈狭窄、透析シャントの狭窄等に対する血管形成術が行われます。専用のバルーンカテーテルで狭窄部を拡張し、必要な場合はステントという金属製の編み目を留置します。

(5)経皮的生検、経皮的ドレナージ術
 CT、超音波などを用いて経皮的にアプローチして生検をしたり、膿瘍をドレナージすることができます。CT、超音波などで標的が明確に認識でき、安全なアプローチルートがあればどこでも可能です。

3.IVRの禁忌
 ヨード造影剤、局所麻酔薬、その他、IVRで用いる器具・材料にアレルギーのある方はIVRが禁忌となります。事前にご相談下さい。

 ********** 放射線診断・IVR科 担当医から こんにちは **********
 2018年4月からお世話になっております。神谷実佳と申します。よろしくお願い申し上げます。
 IVRは外科治療、放射線治療と比べて比較的歴史の浅い治療ですが、うまく使えば低侵襲で効果的な治療ができます。こんなことはしてもらえるかな? と思ったら遠慮なくお問合せ下さい。
 また、前任地の浜松では脳血管内治療チームで脳神経外科の先生方から脳血管内治療を学びました。私自身は標榜科が放射線科ですので、脳血管内治療は脳神経外科の先生方のチームに一緒に混ぜて頂く形になります。当院でも少しずつ症例ができればと思っています。放射線科IVRは各診療科の先生方から常に学ばなければなりません。今後ともご指導・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 どんな医療でもそうですが、IVRにおいても術前の情報共有と綿密な術前計画が肝要となります。
 とくに、IVRでは画像の詳細な検討をもとにstrategyを組み立てるため、詳細な解剖に踏み込んだ画像診断が重要です。IVRの適応についての疑問点、画像についての疑問点について、直接遠慮なくお声かけ頂けますと幸いです。



血液内科の紹介                        血液内科 科長  望月 康弘

■当院の血液内科の主な対象疾患について

1. 造血器悪性腫瘍
(急性および慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等 )
2. 骨髄不全症候群
(骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症等 )
3. 造血器関連自己免疫疾患
(特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血等 )
4. その他
 血友病・HIV 感染症には対応できません。
血液内科望月医師
■特色・特徴
 造血器疾患は研究材料が比較的採取しやすいことから、治療分野、とりわけ悪性腫瘍治療については進歩が最も著しい領域と言えます。造血器悪性腫瘍の治療の中心となるのは、複数の抗がん剤を用いる多剤併用がん化学療法です。これに必要に応じて骨髄移植を代表とする造血幹細胞移植が併用されます。
 有効な抗がん剤の種類は驚くほど増え、これまでの一般的な抗がん剤に加え、分子生物学的な機序で効果を示す薬剤が多数用いられるようになりました ( 一部の急性骨髄性白血病で使用されるベサノイドやマイロターグ、慢性骨髄性白血病で使用されるグリベック、悪性リンパ腫で使用されるリツキサンなど )。この他にもこれまでの抗がん剤とは作用機序がまったく異なるプロテアゾーム阻害剤、砒素やサリドマイドなどもごく普通に使用されるようなっています。造血幹細胞移植もその目的を大きく変えています。以前は大量の抗がん剤投与や放射線照射を行うことを目的として行われていましたが、現在では同種免疫効果により抗がん剤抵抗性の腫瘍細胞を殺すことが主眼となっています。このため「ミニ移植」と言った少量の抗がん剤や放射線照射だけで行う移植法が確立しました。またこれまでは「HLA」という体中の細胞についている名札が一致している人から造血幹細胞を提供していただく必要がありましたが、現在ではある程度一致していなくても移植が可能になってきました ( ミスマッチ移植 )そしてミニ移植とミスマッチ移植により移植が可能となる患者さんの数は飛躍的に増えています。

 治療法が進歩し、治療選択肢が増える事は大変喜ばしいことです。しかし、大きな問題も生じてきます。それは「どの治療法が今の自分に最もふさわしいのか」と言う問題です。
 この問題を解決するためには、まず自分の疾患について充分に理解することが不可欠です。しかし血液疾患は肺癌や胃癌などの固形癌とは異なり、多くの場合「塊り」を作らないため、患者さんは疾患イメージをつかみにくく、自分自身の病気を充分に理解していないことが少なくありません。また治療法の選択には、疾患の進行度・合併症の有無・全身状態・社会的状態なども大きく影響を与え、同じ疾患の患者間であっても、「今自分にとって最もよい治療」は変わることでしょう。ですから病名・病状を患者さんにわかる言葉でお話しする「告知」なくしては、当然のことながらその先の治療法の選択には進むことはできません。
 血液内科の紹介
 次にようやく各治療法の説明となります。各治療の有利な点と不利な点について理解していただくことになります。そしてどの方法が自分自身にとって最もふさわしいのか判断していただきます。しかし実際のところは、どんなに説明を重ねても、本来の意味での充分なインフォームド・コンセントは不可能なのが実情です。その理由はいくつかあります。まず重篤な疾患名を告げられて舞い上がってしまっていることです。次に、普段耳にすることが少ない科学やリスクマネージメント等の内容に、頭の処理が追いつかないことです。そしてインフォームド・コンセントって言葉は知ってはいても、患者自身の責任で治療法を選択するなどとは考えたことも無いことです。更に改めてじっくり考えるのに充分な時間を、疾患が与えてくれないことも少なくありません。これまで、「どこが解らないか解らない」と言う言葉を何度も耳にしてきました。このため当科としては、「自分や自分の家族が目の前の患者さんと同じ病気になった時に、どのように対応するか、対応して欲しいか」と言う点を第一に考えて臨みます。

医師異動のお知らせ

 日ごろからご支援、ご指導いただきありがとうございます。医師の異動がありましたのでお知らせいたします。

■令和元年6月1日 新任医師
 
小児科    熊谷 淳之

■令和元年7月1日 新任医師

 産婦人科   金 蒼美

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