近隣医療施設のスタッフの皆様にはいつも大変お世話になっております。
脳血管障害(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)の治療も数多く経験させていただいておりますが、当院脳神経外科の一員としてその他にも脳腫瘍や外傷など幅広い診療にあたらせていただいております。現在の当院脳神経外科の体制として、3名の脳神経外科学会専門医(竹原誠也、富田守、山村泰弘)と1名の脳神経外科専修医(橋本宗明)の4名で診療を行っております。これに加えて、初期臨床研修医が1-2名ローテーションしていますので、多い時には6名の体制となります。
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2019年の1年間の脳神経外科の全入院患者数は496名ありました。その内訳として、やはり脳血管障害の患者が最多で255人、続いて頭部外傷が170人、脳腫瘍が20人、てんかん15人、感染7人、その他となります。手術治療に際しては、脳機能を最大限に温存するために術中脳機能モニタリングやナビゲーションシステムなどを積極的に活用し、手術の安全性を高める努力を続けております。当院脳神経外科の手術で多いのは、被殻出血や小脳出血などに対する開頭血種除去術、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対しての開頭ネッククリッピング術などです。局所麻酔の穿頭術では慢性硬膜下血腫の手術を数多く行っております。その他にも髄膜腫や下垂体腫瘍などの脳腫瘍摘出術や、正常圧水頭症などに対する脳室腹腔短絡術、内頚動脈狭窄に対する頸動脈内膜剥離術なども積極的に行っております。数は多くありませんが、脳膿瘍などの感染症や脳神経内科から依頼される脳内病変の生検なども経験させていただいております。
脳神経外科としては関連他科との連携は大事にしており、定期的に脳神経内科とのカンファレンスを行うことで、外科系のみに偏らない幅広い視点から患者の診療内容について検討できるように日々努力しております。また、2019年4月より当院放射線科に血管内治療専門医が1名常勤として着任しています。そのため脳梗塞の急性期治療である血栓回収療法が以前と比べても速やかに実施できる体制が整いました。まだ、数多くとは言い難いのかもしれませんが、2019年末までに9件の症例を経験しています。また必要に応じて浜松医科大学脳神経外科の協力を受けながら、頸動脈ステント留置術や動脈瘤のコイル塞栓術など、さまざまな血管内治療対象疾患に対応できることはこれまでと変わりありません。特に血栓回収療法では患者の病院到着後の迅速な対応が求められております。救急外来や血管撮影室スタッフとも連携して一刻も早く閉塞血管の再開通を目指し、訓練を重ねております。また、目まぐるしく進化するカテーテルデバイスにも対応できるよう脳神経内科を含む脳卒中の治療チーム一丸となって日々の勉強を怠らぬよう努力しております。麻痺などの症状出現から間もない患者が受診されましたら、速やかなご紹介をいただけますようお願い申し上げます。
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当院でのリハビリテーションに関しては、理学療法、作業療法はもちろんのこと、言語療法、摂食・嚥下療法も発症早期より実施しています。もしも長期にわたるリハビリテーションが必要な場合には、回復期リハビリテーション病院にその後の診療をお願いしています。
以上、簡単な紹介で恐縮ではありますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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