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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2020年8月号 VOL.32

耳鼻咽喉科の診療について                 耳鼻咽喉科 科長  安原 智洋

 2019年1年間の入院患者数は380名でした。手術を含めた扁桃炎患者が最多で89人、続いて睡眠時無呼吸症候群でのPSG検査が40名、感音性難聴が31名、喉頭腫瘍が31名、慢性副鼻腔炎の手術患者が29名、顔面神経麻痺が17名、その他となります。

 2019年1年間の手術件数は197件でした。
 最多は扁桃摘出術やアデノイド切除術などの口腔咽頭疾患で61件でした。
 次に副鼻腔炎などの鼻疾患で40件、喉頭微細手術は27件、鼓室形成術などの耳科手術は20件でした。
 頸部手術では甲状腺が15件、耳下腺が6件、顎下腺が5件、気管切開術が10件、リンパ節摘出術が9件、その他となります。

 手術の安全性を高めるために、鼻内内視鏡手術ではナビゲーションシステムを積極的に活用し、眼窩内や頭蓋内合併症の予防を行っております。
 術中神経モニタリングシステム(NIM)を使用して甲状腺腫瘍では反回神経の同定、耳下腺腫瘍では顔面神経の同定を行い、神経麻痺などの合併症予防を行っております。

 近年の高齢化社会もあり、嚥下機能の検査を行う機会が増えてきました。現在は嚥下内視鏡検で評価を行っております。誤嚥が高度で経口摂取を希望する方には、声は出なくなりますが、喉頭気管分離術や声門閉鎖術などの誤嚥防止術も積極的に行っております。
 耳鼻咽喉科の疾患はできる限り対応したいと考えています。施設として対応できないものは他院に紹介いたしますが、それまでの検査や治療はなるべく自分たちで対応したいと考えています。

 頸部腫瘤やめまい、口腔咽頭疾患等、境界領域も数多くあるのが耳鼻咽喉科の特徴でもあります。窓口は大きく広げておきたいと考えていますので、頸部から上で何科の疾患かわからないときはまず当科初診で、それから該当科に振り分ける形で良いと考えています。
 このような形で地域医療に貢献していきたいと考えておりますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
 耳鼻咽喉科検査イメージ


緩和ケア委員会(医療チーム)の活動について        緩和ケア委員会 副委員長  鈴木 裕子

【緩和ケアチーム】
 当院の緩和ケアチームは、緩和ケア委員会のメンバーから構成されたコンサルテーション型のチームになります。主治医や看護師、患者様からの依頼で活動しています。
 活動内容は、毎週水曜日に緩和薬物療法認定薬剤師を中心に緩和ケアチーム内でカンファレンスを行い、その後、病棟で主治医や看護師とカンファレンスを行なっています。また患者様との面談やマッサージ、浮腫のケアなどを実践し看護師への指導も行っています。
 令和元年度の新規依頼数は64名でした。その中には、どうしても家に帰りたいと願う患者に対して、退院支援看護師や他職種とも協働して訪問診療や訪問看護体制を整え、数日で退院を支援した事例もありました。時にはペインコントロールに難渋するケースもありますが、日々症状緩和に努力しています。

緩和ケア委員会活動の様子
【緩和ケア研修会】
 燒津市立総合病院緩和ケア研修会は、緩和ケア委員会のメンバーと藤枝市立総合病院の先生方のお力を借りて、11回開催しています。昨年も32名と多くの医療者の方が受講して下さいました。昨年度から事前のe-ラーニングと1日の集合研修となり、より参加しやすい研修になりました。
 幅広い年齢層で医師以外にも看護師や管理栄養士、社会福祉士など様々な方が参加しています。ロールプレイやグループワークなど、みんなで作り上げていく能動的な研修です。今年度は令和2年11月15日(日)の予定です。ぜひ参加していただき一緒に学びませんか。お待ちしています。

★緩和ケア研修会は、次に掲げる内容を含みます。
 なお、各項目において診断された時から人生の最終段階に至るまでの多様な患者・家族の状況を想定するものになります。
ア 患者の視点を取り入れた全人的な緩和ケア(がんと診断された時からの緩和ケアについての説明を含む。)
イ 苦痛のスクリーニングと、その結果に応じた症状緩和及び専門的な緩和ケアへのつなぎ方
ウ がん疼痛の機序、評価及びWHO方式のがん疼痛治療法を基本とした疼痛緩和に係る治療計画などを含む具体的な
 マネジメント方法(医療用麻薬に関する誤解を踏まえた上で、多様化する医療用麻薬の使用上の注意点、副作用や
 その対策への説明、医療用麻薬の提供における多職種の役割、緩和的放射線や神経ブロック等の薬物療法以外の
 疼痛治療法に関する内容を含む。)
エ 呼吸困難等の身体的苦痛に対する緩和ケア(治療に伴う副作用・合併症等の身体的苦痛の緩和を含む。)
オ 消化器症状等の身体的苦痛に対する緩和ケア(治療に伴う副作用・合併症等の身体的苦痛の緩和を含む。)
カ 不安、抑うつ等の精神心理的苦痛に対する緩和ケア
キ せん妄等の精神心理的苦痛に対する緩和ケア
ク がん等の緩和ケアにおけるコミュニケーション(患者への悪い知らせの伝え方、がん等と診断された時から行われる
 当該患者の治療全体の見通しについての説明や患者の意思決定支援を含む。)
ケ がん患者等の療養場所の選択、地域における連携、在宅における緩和ケアの実際
コ アドバンス・ケア・プランニング、家族の悲嘆や介護等への理解、看取りのケア、遺族に対するグリーフケア
 また、選択により、学ぶことができるものもあります。
 詳しくは、日本緩和医療学会のホームページ「PEACEプロジェクト」の内容をご覧ください。

【緩和ケア勉強会】
 緩和ケア勉強会を毎年5〜6回実施しています。昨年度のテーマは
1.「がん悪液質・サルコペニアとの戦い」藤田医科大学医学部外科・緩和医療学講座 
  教授 桂 長門先生
 「化学療法をする患者の栄養支援」焼津市立総合病院 管理栄養士 松尾紘生先生
2.「院内irAEマネジメント」焼津市立総合病院 薬物療法認定薬剤師 林 豊先生
 「胃癌治療戦略を考える」静岡がんセンター 消化器内科 町田望先生
3.「放射線治療の有害事象とその対応」山梨大学医学部放射線医学講座 教授 大西 洋  先生 
4.「アドバンス・ケア・プランニング人生会議〜地域で医療・介護の現場でいつ・何を
 話し合うべきか」小牧市民病院 緩和ケアセンター部長 渡邉紘章先生
5.「身体疾患に伴う不眠やせん妄の評価と対応について」
 国立病院機構 北海道医療センター 精神科 医長 上村恵一先生

 以上の様なトレンドなテーマでみんなが興味を持てる内容や講師の先生方を迎えて開催しています。本来は2月に「認知症の緩和ケアについて」国立研究開発法人 国立がんセンター東病院 精神腫瘍科 科長 小川 朝生先生の勉強会も予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりとても残念でした。院外の先生方の参加は多いとは言えませんが、ご興味のある勉強会には是非ご参加ください。お待ちしています。
 学習会イメージ

医師異動のお知らせ

 日ごろからご支援、ご指導いただきありがとうございます。医師の異動がありましたのでお知らせいたします。

■令和2年6月30日 退職医師
 
小児科   清水 信隆
 産婦人科  山口 翔吾
 

■令和2年7月1日 新任医師

 腎臓内科   森下 杏早
 

    

研修会開催のお知らせ

 焼津市立総合病院では、地域の医療関係者の皆様にも参加いただける研修会を開催しております。

■緩和ケア研修会
   【日時】  令和2年11月15日(日) 9:00〜17:00
   【場所】  焼津市立総合病院 C棟3階 講義室
(受講までの流れ)
1 日本緩和医療学会のホームページより、「PEACEプロジェクト(がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア
  研修会)」をクリックし、e-learningの新規登録をおこなう。
2 12以上のコンテンツを受講
3 終了テストを実施
4 e-learning終了後、自ら修了証書を印刷する
5 緩和ケア研修会に申し込む

■フィジカルアセスメント研修
 地域で働く看護職対象 新人研修(他施設看護職員受入研修)
  
   【日時】  令和2年11月27日(金) 15:00〜17:00
           令和2年11月30日(月) 15:00〜17:00
   【場所】  焼津市立総合病院 厚生棟3階 スキルラボ研究室

      両日とも同じ内容です。どちらか選んでの参加をお願いします。
      申込み方法は当院ホームページでご確認ください。

 


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