焼津市立総合病院

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医療関係の皆さまへ

地域医療連携室だより

地域医療連携室だより 2024年2月号 VOL.46

脳神経外科の診療について                     脳神経外科長  山村 泰弘

 近隣医療施設のスタッフの皆様にはいつも大変お世話になっております。
 当院脳神経外科は、脳血管障害(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)、脳腫瘍、外傷など幅広い診療にあたらせていただいております。
 現在の体制として、2名の脳神経外科学会専門医(山村泰弘・松井秀介)と1名の脳神経外科専攻医(水野颯)の3名で診療を行っております。これに加えて、関連施設の浜松医科大学脳神経外科の協力を受け、非常勤医師が、外来、救急、入院病棟の診療にあたらせていただいております。(川勝暢・門脇慎・山本泰資・大石知也)また、初期臨床研修医がローテーションしております。
脳神経外科医師
 2023年の1年間の脳神経外科の全入院患者数は、387名ありました。その内訳として、やはり脳血管障害の患者様が最多で189人、続いて頭部外傷が130人、脳腫瘍が32人、てんかん14人、感染3人、その他となります。手術治療に際しては、脳機能を最大に温存するために、術中脳機能モニタリングやナビゲーションシステムなどを積極的に活用し、手術の安全性を高める努力を続けております。当院脳神経外科の手術で多いのは、被殻出血や小脳出血などに対する開頭血腫除去術、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対しての開頭ネッククリッピング術などです。局所麻酔の穿頭術では、慢性硬膜下血腫の手術を数多く行っております。その他にも髄膜炎や下垂体腫瘍などの脳腫瘍摘出術や、正常圧水頭症などに対する脳室腹腔短絡術、内頚動脈狭窄に対する頚動脈内膜剥離術なども積極的に行っております。数は多くありませんが、脳膿瘍などの感染症や、脳神経内科から依頼される脳内病変の生検なども経験させていただいております。

 脳神経外科としては関連他科との連携は大事にしており、定期的に脳神経内科とのカンファレンスを行うことで、外科系のみに偏らない幅広い視点から患者の診療内容について検討できるように日々努力しております。また、当科には血管内治療専門医(松井秀介)が1名常勤として着任しているため、脳梗塞の急性期治療である血栓回収療法が速やかに実施できる体制が整っております。これまでに97件の症例を経験しています。また、必要に応じて浜松医科大学脳神経外科の協力を受けながら、頚動脈ステント留置術や動脈瘤のコイル閉塞術など、さまざまな血管内治療対象疾患に対応できることはこれまでと変わりありません。特に血栓回収療法では、患者様の病院到着後の迅速な対応が求められております。救急外来や血管撮影室スタッフとも連携して一刻も早く閉塞血管の再開通を目指し、訓練を重ねております。
 また、目まぐるしく進化するカテーテルデバイスにも対応できるよう、脳神経内科を含む脳卒中の治療チーム一丸となって日々の勉強を怠らぬよう努力しております。麻痺などの症状出現から間もない患者様が受診されましたら、速やかなご紹介をいただきますようお願い申し上げます。

 当院でのリハビリテーションに関しては、理学療法、作業療法はもちろんのこと、言語療法、摂食・嚥下療法も発症早期より実施しております。もしも長期にわたるリハビリテーションが必要な場合には、回復期リハビリテーション病院にその後の診療をお願いしています。
 以上、簡単な紹介で恐縮ではありますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。


脳卒中リハビリテーション看護認定看護師としての活動
                      脳卒中リハビリテーション看護認定看護師  秋山 美幸

 脳卒中は、発症した方とその家族の人生を一変させる疾患です。脳卒中は、脳血管障害とも言われ、脳の血管に何らかの問題が起こって脳に障害をきたす病気です。脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血のいずれも、発症することで運動障害、言語障害、嚥下障害、排泄障害など、その方らしく生活する機能が損なわれることで、発症前後で生活様式が全く異なってしまいます。身体機能の損失だけで無く、精神的なストレスや落ち込みなどの否定的な感情を繰り返し体験される方もいらっしゃいます。「寝たきり」の最大の原因でもあり、御本人だけでなく、一緒に生活をされている御家族の人生にも大きな影響を与えます。

 脳卒中の発症には、喫煙・多量飲酒など「乱れた生活習慣」が深く関与しており、生活習慣の悪化に伴い、脳卒中の罹患率が飛躍的に高まることがわかっています。また、脳卒中は一度発症すると再発の可能性が高い病気です。再発により、前回の発症時と比較して、意識レベルが不良となり、運動障害の悪化、食事が摂取出来ていた方が困難になってしまうなど、これまで何とか自宅での生活が成り立っていた方が、再発後には自宅療養が困難になってしまうケースも少なくありません。
 私たちは、患者様の生活の質をこれ以上落とすことなく、その方が生活したい場所で、その方らしく生活されることを切に願っています。そのためには、これまでの生活を見直し、脳卒中の再発予防を行う事が重要だと考えています。
 
 私が勤務しています脳神経外科病棟では、脳卒中を発症された方の再発を予防するための脳卒中再発予防指導を7年前から本格的に行っています。
 指導ツールには日本脳卒中学会で作成されている「脳卒中予防十か条」をもとに作成したパンフレットを使用しています。パンフレットには、主治医に確認した患者様の個別的な血圧や脂質管理の目標値を記入し、できるだけ患者様の状態に合わせた内容で指導を行っています。薬剤管理は薬剤師と連携して介入し、入院中から患者様の状態や御家族等の背景を加味した丁寧な薬剤指導を行っています。
 また、可能な方には患者様自身に内服管理をしていただき、自己管理が可能かどうかを確認し、必要であれば薬剤の一包化や御家族のご協力が必要かどうかの判断を行っています。また栄養科とも連携して栄養・食事指導を行うことで、自宅退院後も、患者様の嚥下状態や塩分、栄養バランスを考えた食事を継続することができるよう対応しています。入院早期からリハビリテーションを行なっていますが、担当セラピストと連携し、リハビリテーションで行なっている『できるADL』と『しているADL』に差が無いように、病棟内での離床を行ない、できるだけADLが低下しないように対応しています。医療ケースワーカーとも連携し、自宅で療養する為に必要な、福祉・介護の情報提供を行っています。

 現在の指導は、主にTIAや症状が軽度で自宅退院可能な患者様や御家族を対象に行っています。既述のように患者様・御家族を中心に他職種が関わることで専門的で個別性のある指導を行なうことができます。今後は外来との連携を密に取り、実際に自宅に帰ってから、指導内容を継続できているか、生活することで明確になってきた困り事等を確認し対応していきたいと思っております。患者様や御家族が住み慣れた地域で、その方らしく生活を続けられるように、今後も他職種と一丸となって対応していきたいと考えております。今後ともご指導・ご協力をお願い致します。
脳卒中を再び起こさないために

脳卒中予防の十か条

眼科紹介患者様へのご案内について(お願い)

 当院眼科に患者様をご紹介いただく中で、白内障・糖尿病網膜症など散瞳検査を要する症例で、ご自身で自動車などを運転して来院される患者様があり、初診当日の散瞳検査ができず、後日改めて来院していただく等のご不便をおかけする事例が散見されております。

 つきましては、お手数ではございますが、患者様に、散瞳検査をするとまぶしくなり、バイク・自動車等の運転ができなくなるため、公共交通機関をご利用いただくか、ご家族の送迎での来院をご案内いただきますようお願い申し上げます。

 また、ご高齢の方や難しいと思われる症例の場合には、診察時ご家族も同席していただくよう併せてご説明いただきますようお願いいたします。
 ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
散瞳検査の際は自転車・バイク・自動車等の運転はできません

「血液浄化療法室」「点滴治療室」「化学療法室」増床して稼働開始

 2月26日より、血液浄化療法室は46床へ、点滴治療室は10床、化学療法室は17床に拡大し、稼動開始します。


増床された血液浄化療法室 

医師異動のお知らせ

  医師の異動がありましたのでお知らせいたします。
1月15日  退職医師              
産婦人科 松浦 佑宣
産婦人科 蔵持 陽子
1月16日  新任医師             
産婦人科 荻野 珠里

       

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