焼津市立総合病院

文字サイズ変更
サイト内検索
トップページ > 診療部門のご案内 > 診療科 > 泌尿器科

診療部門のご案内

診療科

男性更年期外来について

 男性更年期障害(LOH症候群)は、大学病院などでも診療が本格的におこなわれるようになったのはこの十年くらいです。様々な精神的・身体的異常を抱え、病院を転々としていた方が男性更年期障害と診断され劇的に改善をみたという報告は数多くあります。

病因
 性ホルモンは男女とも20-30歳代をピークにその後低下します。性ホルモンは性殖機能に働くほか、脳に働き意欲・幸福感を導いたり、筋肉の蛋白同化作用、造血作用、骨量の維持などさまざまな働きをしています。そのため性ホルモンが低下するといろんな身体症状が出てくるのです。
 女性では閉経前後に急激なホルモンの低下があるため更年期障害と呼ばれる身体症状があることが古くから知られていましたが、男性では低下が緩やかであるためはっきり検査値異常として認識されることは最近までありませんでした。
 また発症年齢も女性ではいわゆる更年期と呼ばれる40-50歳に集中していますが、男性では30歳代後半から70歳近くまで広く分布していることも診断を難しくしている理由です。また男性では性ホルモンのなだらかな低下に体が順応することが多いのですが、これに精神的なストレス、環境の変化などが加わると男性更年期障害を発症するきっかけとなります。
症状
 男女とも更年期障害に特徴的な症状は発汗、ほてりです。これに加えて倦怠感、意欲の低下、不眠、いらいら、頭痛、めまいなどのいわゆる不定愁訴、性欲の低下などがみられます。身体症状として勃起不全もみられますが、男性では女性に比べ身体症状よりも精神症状の方が多くみられることも特徴の一つです。うつ症状も男性更年期障害によく見られる症状です。
診断
 様々な症状のチェックのため、うつ症状、男性更年期症状、性機能についての質問紙によるアンケート、ホルモン異常を検出するための血液検査をおこないます。また、類似の症状を示す他の疾患を除外するための血液検査、生理機能検査、CT・MRIなどのレントゲン検査をおこない、総合的に診断します。それでもはっきりしない場合には診断的治療として薬剤投与を開始し、その反応を見るという場合もあります。
治療
 最終的な治療法は男性ホルモン補充療法です。逆に男性ホルモンを投与しても改善のないものは男性更年期障害ではないともいえます。しかし、男性ホルモンは現在、注射薬しか入手できず、また副作用の可能性もあるため、軽症の場合には選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の抗うつ剤もしばしば使用します。

◆ひとくちコラム
 司馬遼太郎氏の作品「菜の花の沖」は幕末の蝦夷地交易をおこなった兵庫の廻船問屋、高田屋嘉兵衛の生涯を描いた傑作です。嘉兵衛は50歳になる直前、エトロフ島でロシア人に連れ去られカムサスカに幽閉されるのですが、半年間の幽閉でそれまで精密機械のようだった嘉兵衛が怒りやすくなり、感情失禁とも見える行動をとったり、意欲がなくなり、最後には隠居する姿が描かれています。司馬遼太郎氏が意図したわけではないと思いますが、男性更年期障害が疑われる症状でした。
 興味のある方は御一読下さい。

ページの先頭に戻る

ページの先頭に戻る
〒425-8505 静岡県焼津市道原1000番地
電話(054)623-3111/FAX(054)624-9103 地図