/ 診療科・部門
腎、尿管、膀胱、前立腺、尿道、精巣、副腎といった尿路・内分泌臓器に発症する、悪性腫瘍、尿路結石、排尿障害、尿路・性器感染症、慢性腎臓病などの疾患に対して、手術療法を始め、がん診断、薬物療法、透析療法などの診療を担当しています。
前立腺がんに対しての前立腺全摘除術と、小径の腎がんに対して腎部分切除術について、保険適応のある手術として行っています。
前立腺全摘除術における患者さんのメリットとしては、開腹手術に比べて、
などがあり、手術による体の負担を少なくできることが挙げられます。
一方デメリットとしては、
などがあり、術前に眼科を受診して眼疾患のチェックをすることや、必要に応じて腹腔鏡手術(や開腹手術)に術式を変更して対応します。
腎がん、腎盂・尿管がん、副腎腫瘍に対して3Dカメラによる腹腔鏡を用いて、腹腔鏡技術認定医の資格を有する医師を配置し、より安全性の高い手術を実践しています。
排尿治療薬で効果の認められない前立腺肥大症に対して、止血効果に優れたレーザーによる前立腺蒸散手術(PVP)を行っています。
腎・尿管結石に対して内視鏡によるレーザー砕石術や、外来での体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)による治療により、すみやかな結石の除去に力を入れております。
慢性腎臓病に対して腎代替療法を行う際に必要となる、血液透析アクセス手術、腹膜透析カテーテル手術や腎移植手術などの各種治療に対応しています。
排尿困難や尿失禁といった排尿トラブルに対して排尿機能を精密に分析するために、排尿機能検査士を配置し、尿流動態機能検査(ウロダイナミックスタディー)という診断や治療に有用な生理検査を行っています。
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱と直腸と恥骨に囲まれた骨盤の深い場所にあります。精液の成分を分泌するのが主な役割で、50歳を超えると前立腺がんの発症率が上昇します。市の検診や人間ドックの採血に、PSAという項目がありますが、この値が4ng/mlを超えた場合に「前立腺がんの疑いあり」と判定されます。
前立腺がんが疑われる場合、前立腺組織を採取する検査(針生検)を麻酔のうえで2泊3日の入院で行っています。病理診断でがんが検出された場合は、CTや骨シンチグラフィーといった画像検査を追加することで、リンパ節や遠隔転移などのがんの進行度についてチェックします。
限局した前立腺がんで遠隔転移のない場合、ご年齢や体調に合わせて、前立腺の全摘手術や放射線治療などの治療を検討します。全摘手術は「ダ・ヴィンチXi」を用いたロボット支援手術を行っており、従来の手術に比べて術中の出血が少なく、手術時間も短く、術後の合併症となる尿失禁や男性機能障害からの回復が早いことが期待されています。
放射線治療は、放射線科との共同治療で、平日のみ1ヶ月半程度の期間、連日通院により照射を行います。必要に応じてホルモン療法という男性ホルモンの分泌を下げることで前立腺がんの治療を行います。
前立腺がんが遠隔転移していた場合は、ホルモン療法が適応となり、経過に応じて抗がん剤や新規ホルモン薬を組み合わせます。
ホルモン療法に抵抗性があり骨転移が認められる場合は、アルファ線内用療法というアイソトープ(ラジウム-223)を用いた治療を導入するなど、病状にあわせて適切な治療方法を検討いたします。
当院は静岡県腎臓バンク指定の腎移植希望登録施設であり、1980年代より献腎移植に取り組んでおります。
献腎移植や生体腎移植をご希望される慢性腎臓病の方は、かかりつけ施設からの紹介状をご持参の上、月・火・水曜日にご予約ください。腎臓内科、移植コーディネーターとの連携により対応いたします。
臨床研究を行う場合、診療情報等の過去の情報のみを用いた研究や、手術検体試料を用いるような研究については、文部科学省と厚生労働省が定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成27年4月1日施行)に従い、「必ずしもインフォームド・コンセントを受けることを要しない」とされております。
当科では臨床研究について、診療情報から個人が特定される情報は削除した上で、学会や雑誌等で発表されますが、その際にも個人が特定される情報は公表しません。ご自身の情報提供並びに拒否される方は遠慮なく申し出て下さい。ご不明な点があれば担当医師にお尋ね下さい。
松本 明彦 / まつもと あきひこ
杉山 和隆 / すぎやま かずたか
田邊 邦明 / たなべ くにあき
坂本 昭彦 / さかもと あきひこ
田中 亮 / たなか りょう
田中 恵梨子 / たなか えりこ
森 亮太 / もり りょうた
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | ||
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午 前 |
1 | 松本 明彦 (移植外来) |
松本 明彦 (移植外来) |
松本 明彦 (移植外来) |
ー |
杉山和隆 4・11・25 |
2 |
田邊 邦明 7・14・21 |
田中 恵梨子 |
田邊 邦明 2・16・23・30 |
ー |
田中亮 4・11・25 |
|
3 |
坂本 昭彦 7・14・21 |
ー | 杉山 和隆 | ー | 坂本 昭彦 |
休診・代診はありません。
( )内 腹腔鏡下
手術 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | ||
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副甲状腺 | 上皮小体摘除 | 0 | 0 | 0 | |
副 腎 | 副腎摘除 | 0 | 2(1) | 1(1) | |
原発性アルドステロン症 | 0 | 0 | 0 | ||
転移性悪性腫瘍 | 0 | 0 | 0 | ||
腎尿管 | 根治的腎摘除 | 11(8) | 13(12) | 13(7) | |
ロボット支援 | 1 | 2 | |||
腎移植 | 0 | 0 | 3 | ||
生体腎 | 2 | ||||
献腎 | 1 | ||||
ドナー腎採取術 | 2(2) | ||||
腎尿管全摘除 | 12(12) | 10(9) | 8(7) | ||
腎尿管部分切除 | 4(0) | 11(0) | 12(0) | ||
ロボット支援 | 4 | 11 | 12 | ||
腎盂形成術 | 3(2) | 0 | 1(0) | ||
ロボット支援 | 1 | 0 | 1 | ||
開放腎生検 | 1 | 1 | 0 | ||
経皮的腎生検 | 1 | 4 | 4 | ||
逆行性腎盂造影 | 15 | 17 | 13 | ||
PNL | 0 | 3 | 3 | ||
TAP | 0 | 0 | 0 | ||
腎瘻造設 | 26 | 20 | 20 | ||
経皮的嚢胞穿刺 | 1 | 0 | 1 | ||
TUL | 114 | 106 | 88 | ||
尿管鏡 | 13 | 23 | 13 | ||
ESWL | 71 | 66 | 66 | ||
その他(ステント) | 148 | 127 | 96 | ||
針生検 | 1 | 0 | 1 | ||
後腹膜腔 | 後腹膜腫瘍摘除 | 0 | 3 | 0 | |
膀 胱 | 膀胱全摘除-尿路変更 | 8 | 8 | 5 | |
回腸導管 | 6 | 4 | 4 | ||
尿管皮膚瘻 | 1 | 5 | 1 | ||
膀胱部分切除 | 2 | 0 | 0 | ||
TUR-Bt、B、TUC | 148 | 143 | 110 | ||
膀胱瘻造設 | 2 | 1 | 2 | ||
膀胱水圧拡張術 | 4 | 1 | 1 | ||
膀胱砕石 | 12 | 20 | 15 | ||
腹腔鏡下尿膜管摘出術 | 3(3) | 1(1) | |||
その他 | 0 | 0 | 0 | ||
前立腺 | 根治的前立腺摘除 | 45(0) | 42(1) | 36(0) | |
ロボット支援 | 45 | 41 | 36 | ||
被膜下前立腺摘除 | 0 | 0 | 0 | ||
TURP | 8 | 3 | 0 | ||
前立腺生検 | 217 | 216 | 174 | ||
レーザー前立腺蒸散 | 18 | 26 | 26 | ||
尿道 | 内尿道切開 | 4 | 4 | 8 | |
尿道カルンクル切除 | 2 | 1 | 4 | ||
その他 | 0 | 3 | 2 | ||
精巣・精巣上体 | 高位精巣摘除 | 1 | 4 | 2 | |
精巣摘除 | 6 | 0 | 2 | ||
精巣固定 | 6 | 2 | 4 | ||
陰嚢水腫根治 | 6 | 8 | 14 | ||
精索静脈瘤結紮 | 4 | 0 | 1 | ||
その他 | 1 | 0 | 1 | ||
陰茎 | 環状切除 | 11 | 5 | 0 | |
背面切開 | 0 | 1 | 9 | ||
その他 | 0 | 1 | 2 | ||
人工透析 | ブラッドアクセス造設 | 126 | 160 | 145 | |
CAPD | 2 | 2 | 1 | ||
その他 | その他 | 13 | 10 | 22 | |
合計 | 1,067(22) | 1,071(26) | 932(18) |
1985~2022年 | 2023年 | 計 | |
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献腎移植 | 16件 | 1件 | 17件 |
生体腎移植 | 21件 | 2件 | 23件 |