/ 医療の質
平成26年4月より「クリニカルスキルラボ」を開設いたしました。
これは、医療職が基本的医療技術の習得・向上を図ることを目的とした施設で、採血・静脈シミュレータ、AEDトレーナー等をはじめとする訓練機器を備えています。
タスクトレーニングだけでなく、シミュレーション教育を取り入れることで、プロフェッショナリズムの土台を構成する能力(情報を的確に収集する能力・根拠に基づき判断する能力・専門職として技術を実践し評価する能力・コミュニケーション/プレゼンテーションを行う能力・専門職として生涯にわたり研鑽し続ける能力)を養います。
研修例
診療技術部スタッフは「毎年全員」BLS研修を実施しています。
ベテラン~新人まで、職種の垣根も超えて、トレーニングを行っています。
空いた時間を有効活用して縫合練習。
いつでも研修ができるように、医局には縫合セットなどが常設されています。
感染対策をとりながら、挿管や吸引をするためのトレーニング。臨床工学技士や呼吸器内科医師による人工呼吸器の管理レクチャーもありました。
外科研修では、呼吸器外科の先生が実際に使用するファイバーを使って指導してくださいます。
意識下挿管ができるように、まずはシミュレーターで練習。呼吸器外科の先生が、丁寧にマンツーマンで指導してくれました。
急変時ABCのA(気道確保)は基本!
様々な状況を想定して、トレーニングをします。
空いているはずの個室から突然ナースコールが鳴り 行ってみると、シミュレーションが始まる…。
このトレーニングは、いつの頃からか「ゲリラBBLS」と呼ばれるようになりました。
実際の場面を再現することで、導線や物品の確認や役割分担などを振り返ることができます。
薬剤科の窓口からは、玄関ロビーが見渡せるため、外来通院患者さんの急変にいち早く対応できるように、投薬窓口でトレーニングを行います。
玄関ロビーにはAEDが設置してあるため、素早い対応ができるよう、実物を手にとって体感しました。
焼津には高速道路・国道・焼津港・小川港などがあり、交通事故や外傷事故の患者さんも多く搬送されてきます。
ガイドラインに沿った初期診療ができるように、富田医師(DMAT隊員)と一緒にトレーニングを行います。
高機能トレーナーでは、実際に胸腔ドレーンを挿入することもできます。
日本救急医学会公認ICLSコースだけでなく、年に数回、研修医を対象としたICLSの勉強会を行います。
救急看護師も参加し、実際の救急症例を振り返ります。
栄養士さんや調理師さんも、病院の職員として一次救命処置のトレーニングを行います。
調理師さんは、冬まだ真っ暗な朝の5時から調理を始めます。患者さんだけでなく、共に働く仲間の命を守るためにも、真剣に取り組んでいます。
当院のマニュアルや物品を使用し、今まで習得した技術や知識を確認します。
「ちょっと違って不安だな」「なんでも出来ると思われたらどうしよう」「今までやってきたことが活かせないのかなぁ・・・」そんな、中途採用者だからもつ不安や質問に、1つずつ丁寧に対応をします。
チーム医療を行う上で、状況に応じた適切な「報告・連絡・相談」を行うことは、とても大切な技術です。
実際の場面を想定し、認知→判断→行動の思考のシミュレーションを行います。
みんなで和気藹々と話す中で、情報が整理されていきます。
実際に手術室に模擬人形を運び、急変時対応のシミュレーションを行いました。
麻酔科医・執刀医・手術室看護師のチームワークこそが、安全な医療の提供に繋がります。
「今日は、採血うまくできなかったけど、患者さんに『頑張って!もう1回やってごらん』って励まされちゃいました」といいながら、トレーニングにやってきた新人看護師。
確実な技術を身につけるだけでなく、同期の仲間が励まし合うことで、元気もいっぱい充電できました。
致死的不整脈の治療として、最も迅速な対応が要求されるのが、除細動。
実際使用する病棟で、看護師が除細動器を使用してみることで、スタッフの導線や配置場所の検討など、より実践的な振り返りができました。
新人でなくても「勉強したい」という気持ちがある人には、とことん個別対応します。
夜勤あけの30分を利用して、胸骨圧迫や挿管の介助などを繰り返し勉強します。
容態が安定して、退院に向けて一歩を踏みだしているリハビリ中にも、容態が急変することがあります。
どんな時でも、急変の可能性を想定して、トレーニングをしています。
スキルラボ室には、40インチのテレビモニターやプロジェクターも完備されており、救急症例検討会などのディスカッションも行われています。
疑問があったら、その場で現場を再現したシミュレーションを行うことも可能です。
病院の待合室や廊下で、急変があってもかけつけてくれる大切なチームの一員です。
気道管理トレーナーを医局に運び、挿管のトレーニング。1人やり始めると「俺も、俺も・・・」とプチ研修会が始まります。
いつでも気軽にトレーニングができるように、医局や手術室など、要望があればどこにでも模擬人形を設置します。
1年次研修医の縫合実習。この日は、豚皮を使用して、外科・形成外科の医師や2年次研修医が指導をします。
研修医だけでなく指導医も熱心に耳を傾け手を動かしていました。
(講師:浜松医科大学 加藤孝澄先生)
1.レサシアンシミュレータ
ICLSなどの二次救命処置だけでなく JMECCなどの内科専門プログラムやフィジカルアセスメント研修で使用します。
2.Sim Man
JATECなどの、外傷トレーニングで使用します。
3.ハートSIM
ICLSなどの二次救命処置トレーニングに使用。
病棟への持ち運びも簡単なため、臨床現場での除細動器トレーニングや心電図波形の研修が可能です。
4.看護実習モデル さくら
患者さんを想定した各種の基本的な看護技術の習得とアセスメントの学習が可能な等身大の実習用モデルです。
5.ネオナブルーNRP新生児シミュレータ
6.AEDリトルアン
BLSなどの一次救命処置で使用します。
7.DAMシミュレータ
DAM(気道確保困難症例)を再現し、用手的気道確保・バックバルブマスク換気・挿管などのトレーニングをします。
8.吸引シミュレータ Qちゃん
口腔・鼻腔内吸引/気管切開部からの吸引を透明の半身モデルで確認できます。
9.上部消化管内視鏡シミュレータ
10.尿道カテーテルシミュレータ
11.採血静脈注射シミュレータ シンジョーⅡ
人体に近い皮膚の感触で、尺側皮静脈・正中皮静脈・橈側皮静脈からの採血トレーニングができます。
12.装着式採血静注練習キット かんたん君
装着して実際の手技をお互いに確認しながらトレーニングできます。
13.レールダル AEDトレーナー
14.日本光電 Cardio Life AED
15.CVC穿刺挿入シミュレータ
超音波を使用し三次元的に理解しながら、CVカテーテル挿入の実習ができます。
16.搬送用ストレッチャー
17.救急カート
18.救急ポンプ ミニックSⅡ
在宅用吸引ポンプ
19.糸結び手技トレーナー
外科基本手技コース(Basic Surgical Skills Course)で習得する手技を含め、外科手術に必要なあらゆる糸結びを包括的にトレーニングすることができます。
20.12誘導心電図
12誘導心電図
21.チョーキングチャーリー
異物除去(ハイムリック法)のトレーニングに使用します。正しく手技を行うと、異物が除去されます。