クリニカルパスとは、良質な医療を効率的、かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画書のことであり、当院でも使用しています。これを作成することにより、医療者と患者で診療計画を共有することができ、診療の標準化、根拠に基づく医療の実施(EBM)、インフォームドコンセントの充実、業務の改善、チーム医療の向上などの効果が期待されます。
クリニカルパスは基本的に病院ごと・疾患ごとに作成されます。当院のような急性期病院では退院後にそのまま自宅に帰ることができる方ばかりでなく、回復期の病院へ転院せざるを得ない患者さんも多くいらっしゃいます。また、地域の診療所から紹介されてきた患者さんを当院の専門医が定期的に診察し、診療所と連携しながらサポートしている患者さんもいらっしゃいます。
このような患者さんの診療に当たる医療機関が、共有して用いるクリニカルパスを「地域連携クリニカルパス」といいます。
1つの疾患について、急性期病院から回復期病院など役割が違う複数の医療機関がそれぞれの役割分担を決め、施設ごとの診療内容と治療経過、最終ゴール等を診療計画書として作成し、患者さんにあらかじめ診療内容を提示・説明することにより、患者さんが安心して医療を受けることができるようになります。
当院では、「脳卒中」と「糖尿病性腎症」「過活動膀胱」について地域連携クリティカルパスを作成し、シームレス(継ぎ目のない)な医療を提供できるよう、地域の医療機関と協力し良質で安全な医療の提供をしています。
■志太榛原脳卒中地域連携パス
(参加医療機関)
・計画管理病院:焼津市立総合病院、藤枝市立総合病院、島田市立総合医療センター
・連携保険医療機関:コミュニティホスピタル甲賀病院、聖稜リハビリテーション病院、静岡厚生病院、
静岡リハビリテーション病院、静清リハビリテーション病院、市立清水病院、
市立御前崎病院、岡本石井病院、駿河西病院
■糖尿病性腎症地域連携パス
(参加医療機関)
・市内医療機関(特定健診受託医療機関)
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